HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス
私的評価★★★★★☆☆☆☆☆
(2016日本)
あらすじは、省略しますw
若いころは、嫌いじゃなかったけどなぁ・・・おのれが歳をとったことを痛感するのですね。
永井豪さんの作品の実写化みたいなテイストも感じつつ、しかしまぁ、相当ヘンタイでお下劣ですw
クライマックスの戦闘が、なんかどうでもいいかなぁと思ったら、二度と見ないかもなぁとも(苦)
監督の福田雄一さんは、なんか今、売れっ子のクリエイターなんですかね?
作品リスト見てたら、『THE3名様シリーズ』をレンタルして、夜中にひっそりと笑って見てたの思い出しましたw
●監督・脚本:福田雄一 ●原作:あんど慶周「THE ABNORMAL SUPER HERO HENTAI KAMEN」(集英社文庫コミック版刊)
こどもつかい
私的評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆
(2017日本)
新人記者の江崎駿也(有岡大貴さん/Hey!Say!JUMP)は、関わりのあった子どもが失踪した3日後に大人が亡くなるという連続不審死事件を調べるうち、『トミーの呪い』と言われる“子どもの呪い”の噂にたどり着く。亡くなった大人は、みな共通して、失踪した子どもの恨みを買っていた。失踪後、戻ってきた子どもたちが口ずさむ謎の歌を偶然ボイスレコーダーに録音した駿也は、その歌に事件解決の糸口があるのではないかと考え、次第に深く取材にのめり込んでいく。そこへ、駿也の恋人で保育士の原田尚美(門脇麦さん)が、自分が目をかけていた児童から怨まれ、“子どもの呪い”をかけられてしまう。駿也は尚美の命が亡くなる3日後までに彼女を救うべく、二人で“子どもの呪い”の核心に迫るが・・・。
こどもつかい(滝沢秀明さん)の異様な風体・・・ミステリーホラーなんだけど、なんか、可笑しい。というか、怖くないし、残念なことに、堤幸彦監督のテレビシリーズ“トリック”の南方の神の化身みたいなのを思い出して、やはり、なんかしら、可笑しかったなぁ。
“子どもの呪い”の真相に、過去のある事件が関わっているという設定はよくある話ですが、まぁ、なんですね。人間がイチバン、イヤな感じですね。不快な虐待シーンもありますし、そういう意味では、人間が怖いかな?
怖いというより、悲しいお話。
親による子どもの虐待に対し、何か考えさせられるような作りにもなっていないのに、最後のエンドロール中に虐待されたと思われる傷だらけの子どもが登場します。その子に対して、そのつなぎ方で物語の終わりを落とし込むのは、いかがなものか?と、最後に思いました。この物語に、続きはあってほしくない。でも、現実に虐待は、ある。しかし、だからといって、そういった社会問題にフォーカスを当ててるワケでもなさそう(ボクの見方が浅かったら、すまんことだが)な映画なので、単に人間のネガティブな心に対する不快感しか残らなかった、そんな感じですなぁ。
たぶん、一度見たら、もういいかな、と思います。
●監督:清水崇 ●脚本:ブラジリィー・アン・山田、清水崇
大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(1967日本)
富士山が噴火し、ガメラが火口に飛び込んだことから、調査団がヘリコプターで現地に向かう。麓の高速道路予定地の山中で、緑色の怪光を放つエリアが発見され、そこから発せられた超音波により、調査団のヘリコプターは真っ二つに切断され、墜落する。高速道路建設に反対する村長の孫が、緑色の怪光を放つ洞窟で発見したのは、大怪獣ギャオスだった。
村長の孫の少年が、主役?
この作品は、明らかにガメラ=子どもの味方みたいな位置付けになってきているように感じます。終わりに子どもの合唱による主題歌まで流れて、明らかに子ども向けを意識した作品作りと言えるでしょう。しかし、大人の鑑賞にも堪える、娯楽作品に仕上がっていると思います。怪獣の着ぐるみも、チャンピオンシリーズのゴジラなんかに比べて、ずいぶん出来がいいと思います。
特撮、ミニチュアと人間の合成、すばらしいですね。ヘリに搭乗する空港のシーンに、痛く感心しました。大映特撮、侮れません。
●監督:湯浅憲明 ●脚本:高橋二三 ●特撮:藤井和文 ●操演:金子芳夫
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
私的評価★★★★★★★★☆☆
(1966日本)
ニューギニアの部族が秘密にしていた巨大なオパールの宝石。欲に目のくらんだ男たちが日本に持ち帰ったオパールは、大怪獣バルゴンの卵だった。ニューギニアから来た部族の女性の協力の下、自衛隊が大怪獣バルゴンを封じ込めるための作戦を実行するが…。
ガメラ第2弾。カラー作品になりました。
前回の作品と違って、人間の欲望の浅ましさが招いたバルゴンの悲劇を、人間ドラマの部分で分厚く描いているところに、見応えがありました。登場人物それぞれの立場から表出するさまざまな感情や言動が、すべて腑に落ちる展開で、実にすばらしい。特に、小野寺(藤山浩二さん)の徹底したクズっぷりがすばらしい。大人のドラマだと感じました。
操演もすばらしく、バルゴンの動きが生き生きとしていました。
●監督:田中重雄 ●脚本:高橋二三 ●特技監督:湯浅憲明 ●操演:恵利川秀雄
大怪獣ガメラ
私的評価★★★★★★☆☆☆☆
(1965日本)
北極海で米空軍が国籍不明の戦闘機を撃墜すると、積んであった原爆が爆発し、衝撃で氷山の中からガメラが蘇る。日本を襲ったガメラは、なす術もない人類に絶望感をもたらすが…。
のっけから米軍の会話や調査隊とエスキモーの会話が英語でやり取りされ、字幕出まくりの上、けっこう難しい漢字が混じっているので、決して子ども向きではないのかと思いきや、北極海の展開から日本に場所が移ると、灯台守の子どもが登場してきて、ガメラは悪くないと言い張って必死に庇うとか、まぁなんだかどこら辺を対象に制作されたのかよく分からない作品です。
後半にガメラをどう退治するかという国際会議になると、外国人の登場人物が急に日本語をしゃべりだして、どうもご都合主義的に感じて、日本語だけにするか、字幕を通すか、どっちかに徹底してほしかったです。
特撮は光学合成ですが、なかなかよくできていると思います。ミニチュアもよく出来ており、ガメラの大怪獣感がよく表現できていました。ミニチュアの中に人間の動き回る影を合成していたのは、なかなかのアイディアだと思います。
水害で冠水した町並みや爆発炎上する火災現場など、災害現場がたくさん出てきますが、実際の映像なんでしょうか? それとも特撮?
●監督:湯浅憲明 ●脚本:高橋二三 ●特撮:築地米三郎
アイ マイ ミー マイン
私的評価★★★☆☆☆☆☆☆☆
(2006日本)
大学受験を控えた小林文(ふみ:悠城早矢さん)は、毎日イライラしていた。理由は分からない。明日が東京の大学の受験日という日、文は学校帰りに、兄の徹也(三浦誠己さん)が、家の旅館のワゴン車で派遣コンパニオンの志穂(菜葉菜さん)と駆け落ちするところに出くわす。『どうせ、すぐ帰ってくるんでしょ』と、うんざりする文。駆け落ちすると言うふたりの軽薄な感じの言動に、ますますイライラが募る。文にとっては、旅館を営む両親も、東京でアングラ女優になった姉も、みんな何故かイラつくオトナたちばかりだった。どうして・・・。
『山形国際ムービーフェスティバル』は、東北の映画文化拠点である山形から、新しい時代のクリエーターの発掘・育成を目的に2005年に初めて開催されたそうです。その第1回の審査員特別奨励賞を獲得した渡辺賢一監督の感動ドラマ、だとか。だから、どうした?みたいな感じ。
DVDのパッケージの裏面に、『少女から大人への移り変わりを描いた、感動のヒューマンドラマ』と記載してあります。見終わった今、よく意味が分かりません。感動?−でき、、、ませんでした。
とりあえず、文の、なんとなくイライラしてしまう心情は、ものすごく感情移入できるキャラでした。そのイライラは、未成熟であるが故の、『オトナになりたい。大人になれない』苛立ち。自分の純粋さ、未成熟さと周りに見えるオトナたちの振る舞いに感じる違和感・ギャップ。ボク自身も、あんな感じの思春期〜青春期を過ごし、まんま青臭いオトナになってしまった感じなもので^^;分かる気がするんです。
そして、そんな文を取り巻くオトナたち。出てくる人物が、ことごとくイラつかせてくれます。
軽薄な言動を繰り出す兄の徹也(三浦誠己さん)。貧乏でダメダメな感じなのに、自分は頑張っていると言い張る姉の綾子(中村優子さん)。小さなアングラ舞台で息巻いている、生理的に受け付けがたい中年俳優の男。チャラいナンパな男子学生。泊り客のエラそうなパワハラ上司。
もう、見ているだけで文と一緒にムカつきが募り、動悸が高鳴ってイヤ〜な汗が滲んでくるみたいになって、、、ナンパな学生と文が語るシーンで、『韓国映画“オールド・ボーイ”のどこが一番良かったか』という学生の質問に、文が『主人公の男が金づちで10人くらい、ぶっ倒すところ』と答えますが、ホントに何人かぶっ倒したくなりました。
ところが、文は文で、純粋なためか、周りのオトナに言われたことを、しなきゃいいのに、ことごとくやってしまう無防備さを見せてくれるので、やっぱり見ていてイラッとくるのです。
ある意味、ニュートラルな人物は、あまり出てきません。まぁ、文の両親は、まだ常識を感じるところはありますが、浮世の由無しごとに翻弄されながらもしぶとく生きるさまは、文の純粋さとの対比によって、少女とオトナの間に横たわる大きなギャップを感じないではいられないところです。そういう意味では、この作品で文は、まだオトナになっていこうとする入り口に立っただけだと思いました。そこで目にしたオトナたちの生態に、戸惑いと受け入れられない自分の未成熟さにうすうす気づき、イライラを募らせているだけ、みたいな。
しかし、なんですよ。
えっ!? そのひと言で終わるんですか?
そう。最後の最後に。深すぎて、意味不明です。
何を意図したセリフなんでしょうか?
●監督:渡辺賢一 ●脚本:水藤友基/渡辺賢一
放郷物語 THROWS OUT MY HOMETOWN
私的評価★★★★★★★★☆☆
(2006日本)
「失くしたと思っていることは、失くしてしまったのではなく、ただ、気が付かなくなっているだけのこと」
桜の遅い北関東の町。高校を卒業したばかりの愛子(徳永えりさん)と茅里(安藤希さん)は、この春から愛子が東京の大学に進学するため、離れ離れになる。愛子と芽里と芽里の彼氏の哲平(小林且弥さん)の微妙な三角関係を軸に、彼女たちが過ごした街で交錯するさまざまな人たちの人間模様を<喪失>と<再生>をテーマに描く群像劇。
娘を探しに県外から転入してきたバスの運転手(山田辰夫さん)、結婚と仕事になかなか踏ん切りがつかないフリーターの青年(金子昇さん)、長い夫婦生活の中で夫婦の意義を見失ってしまった主婦(奥貫薫さん)と夫(田山涼成さん)、犬(たぶん、アラスカン・マラミュート)の飼い主を探すホームレス(西岡徳馬さん)。
87分と、尺が短いのに、さまざまな人々の人生をいっぱい詰め込んでいます。そのため、それぞれの人生のエピソードは短く、掘り下げが浅い印象は否めませんが、さっぱりと説明的なセリフや独白を排して、状況、しぐさ、表情などだけで繋いだ各エピソードは、却って登場人物たちの心情にボク自身の感覚でいろんな思いを馳せることができて、感情移入しやすかったように思います。人によっては、この辺りを、観客に丸投げしすぎと感じる向きもあるかも知れません。あくまで、ボクの感想です。
各エピソードでは、徳永えりさんの登場するシーンと奥貫薫さんの登場するシーン、しぐさや表情がとても印象的でした。それぞれがひとりっきりで登場するシーンでも、たたずまいが絵になると言うのか、場の空気を支配するような強い存在感を感じました。
徳永さんの表情は、とても惹きこまれるものがありますね。朝ドラでも何度かお見かけしていますが、そのときは脇としてしっかり支えている感じ。本作は、十分主演女優の雰囲気を発揮されていると思います。実は、けっこう好きな女優さんなんですよね。
奥貫さんや山田さんがスーパーで買い物をするシーンが何度か出てきます。BGMもなく、淡々と進んでいくんですが、その中でも何かしら、いろんな思いを浮かべながら買い物をしているのかなぁ、と、なんだかちょっと切ない気分で見てました。
ホームレスのエピソードは、よく分かんない設定でしたね。あまりに状況が突飛過ぎます。
ときどき、引きの画だけで押し切るシーンもありますが、表情が見えないけれど、状況と会話としぐさで、登場人物の表情が目に浮かぶようで、なかなか効果的な演出だと思いました。
また、舞台は、北関東の狭い街なんでしょうね。各エピソードに、他のエピソードの登場人物が、頻繁に映りこんで来ます。街のスケール感を、うまく表現できているのかもしれません。
最後のCGは、ちょっとあざとすぎたかな?
でも、この作品の雰囲気は大好きです。BGV代わりにボサッと見てても、なんかホッとします。
(追記)
バス運転手役の山田辰夫さんは、2009年に53歳で他界されています。2005年に胃がん摘出して復帰した頃の作品かと思います。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
●監督・脚本・編集:飯塚健