一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

点と線

私的評価★★★★★★★☆☆☆

点と線 [DVD]

 (1958日本)

 博多の海岸べりの岩場で発見された男女、産工省の公務員・佐山と料亭の女中・お時の遺体は、合意の上での心中と断定された。だが、それに疑問を抱いた東福岡署の老練の刑事・鳥飼(加藤嘉さん)は、警視庁二課から汚職事件に関する捜査に来た三原警部補(南廣さん)に、事件の真相を突き止めるよう進言する。情死を装った完全犯罪を、北は札幌、南は博多まで推理の糸を広げ、東京駅4分間の謎に隠されたトリックを暴き、遂に真犯人を突き止める三原だったが・・・。


 10月14日は『鉄道の日』らしい。鉄子でないボクには関係ない記念日ですw
 東京駅とか蒸気機関車が走行するシーンとか、昭和30年代初めの町並みとか、なにかと昭和だなぁ、と思える雰囲気のよい映画です。どこかノスタルジックで、心がなごみます。歳ですなぁw
 国鉄香椎駅前の果物屋の店先に「メートル法の店」との下がりがありました。戦後、尺貫法からメートル法に表示が切り替えられたころの時代なんでしょうかね? 昭和の映画を見ていると、ときどきこういった発見をして、ちょっと嬉しくなってしまいますね。


 90分弱の尺の短めの映画ですが、セリフの間合いとか、表情のとらえ方とか、画面の切り替え方とか、キビキビとしていていいですねぇ。お話が、すんなりと頭に入ってきます。すばらしいw
 最近のサスペンス・ドラマを見慣れていると、派手な展開があまりないので、物足りなさを感じる方もいらっしゃるでしょうが、一つ一つ丁寧にアリバイの裏付けを捜査し、何度も心折られそうになりながらも、徐々に事件の真相に迫っていく過程に、三原たち二課の刑事たちのすさまじい執念を感じ、ドキドキしました。良作だと思います。
 

●監督:小林恒夫 ●脚本:井手雅人 ●原作:松本清張「点と線」日本交通公社刊・雑誌『旅』連載、光文社刊)