約束
私的評価★★★★★★★★★☆
(1972日本)
日本海沿いを走る急行列車にたまたま乗り合わせた松宮螢子(岸惠子さん)と中原朗(萩原健一さん)。連れの女性(南美江さん)との微妙な関係を気にしつつも、どこか暗い影を引きずる螢子に惹かれ、彼女にナンパを仕掛ける朗。結ばれるはずのない二人が出会い、つかの間の愛を育む。しかし、二人を待ち受ける運命は……。
昭和47年、大人のメロドラマ。
ある意味、叙情的で雰囲気先行、だけど、なんか惹かれる。
セリフが少ないのがいい。
フルートが奏でるメロウなジャズが彩る、物憂い螢子の表情。
子どもっぽく、軽薄なカンジで振る舞う朗。
対照的な二人が、愛を感じる不思議。
シンプルに、いいと感じる。
本編の感想とはまったく関係ないハナシですが……。
昭和の国鉄がらみの映画を見ると、どこを走っているのか気になってしまうので、ちょっと調べて見ました。
螢子が乗った駅は不明。ただし、最後は名古屋に戻ると言っているので、名古屋から乗ったのでしょう。
朗が乗ってきた駅のアナウンスが聞こえますが、〝到着の列車は、直江津、新潟、秋田方面青森行きの急行列車しらゆき号です〟だけなので、やはり不明。
急行しらゆき号も調べたんですが、さほど長距離を運行していなかったのではないかと思われ、架空の設定のようです。
二人が降りた駅は〝うえつ〟とのことですが、これも架空の駅と思われます。降りた駅のプラットフォームでも駅名は出てきませんし、朗が車内で切符を見せる場面も文字は見えません。ロケ地は、駅周辺の表示をじっくり見てると、どうも福井県敦賀駅のようなのです。途中で、中山仁さん演じる護送犯が、糸魚川から乗って柏崎で降りているので、一気にワープして戻ってきてます^^;
以下、二人が過ごす旅先は敦賀ロケの模様。
架空の町〝うえつ〟は、日本海側のうら寂しい雰囲気を撮るための方便なのでしょうね。
●監督:斎藤弘一 ●脚本:石森史郎