一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

buy a suit スーツを買う

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

buy a suit スーツを買う/TOKYOレンダリング詞集 [DVD]

 (2008日本)

 大阪から上京し、秋葉原の駅に降り立ったユキ(川原ゆき/砂原由起子さん)は、兄ヒサシ(川原久/鯖吉さん)の大学時代の先輩、山口(山崎隆明さん)と駅前でおち合う。ユキは山口に、しばらく前に妻のトモ子(三枝桃子さん)と別れて不意に失踪を遂げ、消息不明だった兄から最近思いがけず手紙が届き、その兄を訪ねるべく上京したことを語る。届いた手紙の住所を訪ね歩いて隅田川沿いの吾妻橋のたもとまでやってきたユキは、意外にもそこにあるダンボール・ハウスで暮らしているヒサシと再会を果たし……。(WOWOWの番組内容から引用)


 こちらが市川準監督の最後の映画、最初で最後の自主制作映画スタイルでの作品。
 手持ちカメラ1台で撮ってると思われ、音声と周囲の環境音が同時収録されているため、ある意味ドキュメンタリー的なライブ感を漂わせながら、ただ、なんと言ってもセリフが聞き取りづらいのがなんとも^^;
 ヒサシのキャラが意味不明なほど天才過ぎて、ホントに何を言ってるのかワケが分かんないのですが、これ、演技入ってるんでしょうか? 演技だったら、逆にすごいな、と思います。けっこうグダグダで素人丸出し感全開=自主制作映画っぽさ満開です。
 なんかね、どうもフツーの人々の生活を盗撮してるんじゃないかってくらい、内容が不安定です。その辺も狙ってのことなんでしょうけど、難しい作品ですね。
 しかも、衝撃のラスト!
 ボクは見てて、思わず苦笑しちゃいましたよ。なに、それ! そんなん有り? この映画のかもす自主映画っぽさなら、当然、有りなんでしょうねぇ……しかし、そうかぁ。
 全編に漂う不安定な印象が、まんざら間違ってなかったと思えるラストでした。
 凡人なるボクには、意味が分かりませんでした。けど、悔しいので過半数の★6つ付けておきます。

 あ、ヒサシ役の鯖吉さんとユキ役の砂原由起子さんは、実の兄妹で兄妹役を演じていたそうです。まさか、隅田川河畔で訥々としゃべってた会話、リアル兄妹の会話じゃないですよね?


●監督・脚本:市川準 ●音楽:松本龍之介