一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

YAWARA!スペシャルずっと君のことが…。[HDリマスター]

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

YAWARA! TV Special ずっと君のことが…。
YAWARA!スペシャルずっと君のことが…。

 (1996日本)

 TVシリーズのその後を描いた完結編。五輪に選ばれた柔(声:皆口裕子さん)や富士子(声:川島千代子さん)は開催地に向かう。邦子(声:あきやまるなさん)に松田(声:関俊彦さん)との結婚を宣言されたり、風祭(声:神谷明さん)に求婚されたりして、試合前の柔の心は揺れる…。アトランタオリンピックで数々の強敵たちと対決する! 恋とメダルの行方はいかに!(日本映画専門チャンネルの番組詳細から引用)


 原作を連載してたスピリッツは、1993年に異動した職場で回し読みしてたんで、終盤だけ読んでたんだと思います。連載開始当初も、飛び飛びながらも読んでたかも?
 1989年10月16日から1992年9月21日に放映のTVシリーズは、ボクの人生にとっては暗黒の管理畑勤務時代とそっくり重なるんですが、なんか、何かにつけ『楽しくないなぁ』と思ってた時期です。そんな時代だったんで、TVもあんまり観てなかったんですけど、なんかしら国民的人気アニメになってしまってたんで、時おり観てたように思います。
 TVシリーズは、柔が本阿弥さやか(声:鷹森淑乃さん)を倒して、アトランタ五輪の代表に選ばれるところまでで、本編が終わってたということなんですかねぇ?
 確か、原作は1992年のバルセロナ五輪を目指してたような気がしてたんですが、調べてみると、原作の進行が、現実の時間及びTVアニメの進行に置いていかれてたんですね。
 それで、原作に描かれていない五輪のことは、TV放映時には間に合わないから、代表決定までなんて半端な終わり方してたってことなんでしょうか?
 TVアニメ放映終了及びバルセロナ五輪から4年後、アトランタ五輪開幕前夜に、日テレ系の金曜ロードショーで、TVスペシャルとして放映されたのが本作のようです。

 柔道の方は、無差別級決勝のカナダ代表・ジョディ(声:一城みゆ希さん)との戦いがメインで、他の対戦相手との試合の描かれ方は、48kg級決勝のフランス代表・マルソー(声:荒木香恵さん)戦以外は、あの強力なライバルと思われる旧ソ連(ロシア)代表・テレシコワ(声:水谷優子さん)でさえ、画面に映ったときにはすでに畳に背をつけて敗北した瞬間だったという具合で、あまりスポーツ漫画のアニメという感じがしません。もっと言えば、4年も経って放映したのに、ジョディと柔の友情とライバル関係の描かれ方が非常に薄く、なんでジョディがあんなにも柔に対して闘志を燃やすのか、この番組だけ見てもピンと来ないところが、雑だなぁと感じます。

 むしろ、柔と松田、そして、さやか→風祭→柔←松田←邦子の恋愛模様のドタバタを描く、ラブ・コメ要素が強いように感じました。
 なので、クライマックスは、首相官邸から松田の手を取って柔が抜け出すシーンとなります。もう、ほぼトレンディ・ドラマのノリ。
 その後の空港での出来事は、たぶんハッピーエンドなんだろうけど、なんかしら、もう茶番としか思えない、ドラマ的には余計な部分みたいな印象でした。

 とはいえ、なんか昔を懐かしく思い出しながら、若い頃はこんなんでも楽しんでたかなぁ、とか思いながら、鑑賞させていただきました。


●監督:浅香守生 ●脚本:井上敏樹 ●原作:浦沢直樹(コミック『YAWARA!』/ビッグコミックスピリッツ連載・小学館刊)