一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ワイルド7

私的評価★★★★★★★☆☆☆

ワイルド7 [Blu-ray]

 (2011日本)

 創設者の草波警視正中井貴一さん)に率いられた警視庁の超法規的部署《ワイルド7》は、過去に殺人事件を起こした青年、飛葉(瑛太さん)ら元犯罪者7人からなり、凶悪犯を独自の判断で殺していいという権限を持つ。飛葉が謎めいた女性ユキ(深田恭子さん)と出会った頃、《ワイルド7》に先回りして悪党を殺す謎のライダーが出現。続いて危険なウイルスを積んだ飛行船を東京上空で爆破させるというバイオテロ予告が警視庁に届き、《ワイルド7》もその阻止に出動するが……。(WOWOWの番組内容から引用)


 〝週刊少年キング〟なんて、知らんだろwww

 1970年代から〝5大週刊漫画雑誌〟としてしのぎを削っていた、というか、常に売り上げはダントツの最下位だったように記憶しています。
 小学生当時、キングを買っていたら同級生に『何それ?知らん』と、馬鹿にされた記憶も。
 でもね。実写でテレビ化された梶原一騎さんの〝柔道一直線〟とか、テレビアニメ化された藤子不二雄さんの〝怪物くん〟とか、ヒット作もあったんですよ。
 本作の原作漫画〝ワイルド7〟は、望月三起也さんが1970年代半ばに連載していた人気作で、当時実写版でテレビ化もされました。
 ちなみに、1977年に始まった松本零士さんの〝銀河鉄道999〟や、1980年代に月2回刊になって始まった吉田聡さんの〝湘南爆走族〟もキング連載です。
 でも、マイナーな少年誌であったことは、否めないなぁ……^^;

 ワイルド7のテレビ実写版は、今でもCSで時々再放送が見られますけど、当時のテレビは子ども向けの番組でも今ほどの倫理的な規制が無くって、今見ると驚くくらい暴力シーンが過激です。これを小学生時代、何も思わずフツーにおもしろいと思って毎回見ていたのかと思うと、その後何度かあった倫理的規制によって制作されるようになった穏やかな映像にすっかり飼いならされてしまったんだなぁ、なんて思いました。たぶん、そのせいもあって、今じゃ生々しい流血シーンとかバンバン出てくるアジアの映画とか、苦手になってしまったんでしょうねぇ。

 あだしごとはさておき。

 アクションシーンは、今時ですからVFXてんこ盛りでしょうけど、どれも非常によくできてたと思います。バイク・アクションが特にカッコいいと思いました。
 ただ、全般的に思ったんですけど、スロー回しがくどすぎます。もうちっと、シャンシャンと進められたんじゃないかと思うような、間延びを感じるシーンがけっこうあって気になりました。

 ワイルド7の面々では、特に瑛太さん、椎名桔平さん、宇梶剛士さんの3人がカッコよかったですねぇ。他の4人もはまってたとは思いますが、この3人は格別。特に特に、椎名さんがシブかった。
 草波役の中井貴一さん、もうカッコ良すぎです。クールなたたずまいとホットな内面を秘めた草波の演技、男が惚れる役者さんですねぇ。
 原作にも登場する本間ユキですが、深田恭子さんて、こういうちょっと謎めいた陰を秘めた女性の役は、ちゃんとフツーにできるんですよねぇ。あんまりイロモノっぽい役をしなきゃいいのに、とか失礼なことを思いつつ、本作の深田さんは、けっこうはまってて良かったです。

 あとは、ストーリーの落としどころですが。う~む、ここが日本的っていうのかなぁ? ちょっとスカッとしない。いや、イケないことはないし、ある意味丸く収まったことになるんだろうけど、なんか釈然としない。悪役の詰めが甘いとしか言いようがない、なんかそこが残念かなぁ。


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●監督:羽住英一郎 ●脚本:深沢正樹 ●原作:望月三起也(コミック『ワイルド7』/週刊少年キング連載)