君は僕をスキになる
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(1989日本)
山下達郎の「クリスマス・イブ」にのせて贈るロマンチック・ラブコメディー!!
積極的にアプローチしてもイブの前には必ず振られてしまう、浜田知佳(山田邦子さん)。恋人を探すよりもプリンを作って読書をしているのが大好きな神林苫子(斉藤由貴さん)。そんな2人が偶然にも、プレイボーイの太宰享輔(加藤昌也/現・加藤雅也さん)に恋してしまった! 太宰の親友・芥川純平(大江千里さん)も絡んで恋と友情は急展開! 果たして2人の恋の行方は……!?
(DVDパッケージから引用)
30年前のバブル景気なクリスマス・イブ。
当時観てたら、面白かったかなぁ?
なんとも言えないなぁ……ハッピーエンドだから、別にイイんだけど、なんか消化不良ぎみ。
企画の秋元康さんは、バブル時代の幕開けとともに時代のトレンドをうまく読んで、上手く流れに乗って来られた方ですからねぇ。いや、やっかみ入ってますけど、そんな方の企画ですから、なんかねぇ。何もかも浮き足だってるように見えて(案外そうでもないんだけど、余計なフィルターが心の眼の前にかかっちゃって、そう見えちゃう)、恋愛も仕事も生き方も、何もかも軽佻浮薄な時代のあだ花みたいに思えて、観てて胸やけ・胃もたれするカンジなんですよねぇ。特に、前半の太宰の軽さには、終始眉間にしわ寄せっ放しでした^^;
きっと、この映画を見て素直に幸福感に浸れる方は、同時代を過ごしていないか、同時代をそれなりに謳歌してらしてて、今じゃイイ思い出になってる方じゃないですかね。
同時代を生きながら、バブルにもトレンディな華やかさにもさっぱり縁の無い灰色の青年時代を送ってきたボクには、ちと共感しがたいドラマです。
なんで山下達郎さんの〝クリスマス・イブ〟を軽~く使っちゃうんだよ。
なんで雪降りしきる中、傘もささずに何時間も待ってんだよ。
なんで冷え切ってるはずのライターが、カンタンに点いちゃうんだよ。
なんで…いや、よそう。なんだかミジメだ^^;
まぁ、でもですね。
スクランブルな恋のよじれ方とか、なかなかカンタンには素直になれないフクザツな乙女心だとか、シングル・ベル仲間と言いながら、恋心に素直になれない元恋敵・苫子を思いやる知佳の友情だとか、よくできたストーリー、脚本、演出だと思いますよ。
たぶんね。ボクが個人的に、バブル時代に受け入れられなかった感を未だに根に持つ〝負け犬根性〟だから、素直に楽しめないだけだと思います。あ、いやいや、そもそもロマンスは苦手だったというのも理由かな?
何はともあれ、ハッピーエンドは、素直に受け入れなくちゃならんよな。
※渡邊孝好監督の作品
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※1989年の日本映画
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