ウルトラQ 第21話『宇宙指令M774』
私的評価★★★★★★★★☆☆
DVD ウルトラQ VOL.6
(1966日本)
淳(佐原健二さん)、一平(西條康彦さん)、由利子(桜井浩子さん)の3人は、豪華客船クイーンパール号船旅を満喫していた。満天の星空の下を航行中、船の甲板でフランス人形を拾う由利子。人形はルパーツ星人と名乗る女性の声で奇妙な警告を発する。その後、淳と一平は操縦訓練中のセスナを遠隔操作され、いずことも知れぬ地へと導かれた。無人の建物の中、ジュークボックスは、やはり同様の警告を告げる。「地球に怪獣ボスタングが侵入しました……。」
(DVD同梱ライナーノーツ『第21話あらすじ』から引用)
1966年TBS系で放送された〝ウルトラQ〟全28話のうちの第21話です。
DVD同時収録は、
・第22話『変身』
(監督:梶田興治/脚本:北沢杏子/特技監督:川上景司)
・第23話『南海の怒り』
(監督:野長瀬三摩地/脚本:金城哲夫/特技監督:的場徹)
・第24話『ゴーガの像』
(監督:野長瀬三摩地/脚本:上原正三/特技監督:的場徹)
今年2020年1月2日に脚本家の上原正三さんがお亡くなりになったそうです。謹んで故人のご冥福をお祈りいたします。
本作は、その上原さんが手がけた最初の脚本=デビュー作品です。
また、監督を努められた満田かずほさんも、同じくデビュー作品とのことで、その後のお二人のウルトラシリーズへの関わりを考えると、テレビ特撮史的にも、たいへん意義のある作品と言えます。
個人的には、ウルトラQシリーズ中でもお気に入りの作品のひとつで、けっこう何度もリピート鑑賞しています。
〝宇宙指令M774〟なるものを受けたルパーツ星人が、地球に怪獣が侵入したことを地球人に警告するものの、実際に怪獣を退治するときには黙って地球人と怪獣の戦闘を静観しているだけ、という構図がなんとも不思議なお話で、少年時代に見たときは『それだけ高度な文明を持っているのなら、怪獣退治を助けてくれたらいいのに』と、思ったものです。
直接地球にやってきたルパーツ星人ゼミは、中央図書館学芸員・一条貴世美(水木恵子さん)として、そのまま地球に残ることになりますが、この設定は、後のウルトラマンが地球人ハヤタとして地球に留まるという設定に引き継がれているものと思われ、ウルトラマンシリーズの源泉が、この作品から始まったと見ることもできそうです。
改めて、上原正三さんのご冥福をお祈りするとともに、故人の功績に深く感謝したいと思います。