実りゆく
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(2020日本)
長野県下伊那郡、松川町。代々続くりんご農家の後取りとして生まれた実(竹内一希さん/まんじゅう大帝国)。
母親(小野真弓さん)の死後、父親(田中要次さん)と二人で農園を切り盛りする彼は、週末になると、独り東京に出向き、お笑いライブに出演していた。生まれつき吃音を持つ実だったが、芸人として舞台に立つ時だけは流暢に喋れた。自分の喋りで人を笑わせている瞬間が、何よりも幸せだった。実は、りんご農家として生まれつつも、お笑い芸人になるという夢を抱いていた。
しかし、りんご農家を継ぐ者には25歳になる年に、ある大切な儀を行わなければならなかった。それは、町を納めるりんごの神様に挨拶をし、一人前のりんご農家として認めてもらう奉納祭だった。奇しくも、実が受ける奉納祭の日は、「WAGEIグランプリ」と呼ばれる、お笑い芸人なら誰もが目指すべき超大会と同じ日。
笑いに進むのか? りんごを継ぐのか? 実の人生のタイムリミットは、刻一刻と迫っていた。
なぜ実は、そこまでしてお笑いに突き進むのか? そこには、“母親の死後、笑顔を失った父親を笑顔にしたい”という強烈な想いがあった。母は生前、“実にしかできないことを、一生かけて実らせなさい”と実に説いていた。
”父さんに笑って欲しい”
それは、実が、実にしかできないことだと、胸に秘めていた想いだった。
そして迎える運命の日。
実は、想いを、夢を、
実らせることができるのか?
(映画『実りゆく』公式サイト「STORY」より引用)
minoriyuku-movie.jp
本日3本目。さまざまなカタチの家族の物語を見続けた1日になったワケです。
公式サイトのイントロダクションによると、
映画「実りゆく」 それは1本の予告編から始まった…。
堤幸彦監督、大根仁監督らを擁する、オフィスクレッシェンドが主催する「MI-CAN 未完成映画予告編映画大賞」。未だ存在しない映画の予告編だけを制作し、グランプリには映画化の権利が与えられるという企画。2018年に開催された、第三回大会に出品された作品が「実りゆく長野」だった。
監督は芸能事務所タイタンのマネージャー、主演は若手漫才師“まんじゅう大帝国”の竹内が務めるという異色作だった。結果は、惜しくもグランプリを逃すものの“堤幸彦賞” と“MI-CAN男優賞”を受賞。
結果が発表されるやいなや、本編を望む声が多数寄せられ、タイタンの代表太田光代の手により、ついに映画化が決定した。主演は予告編に続き、まんじゅう大帝国が務め、監督もマネージャーの八木が続投。田中要次、三浦貴大、小野真弓、山本學といったベテラン俳優陣も集結。さらに本人役として、島田秀平や爆笑問題も出演!撮影は、長野県下伊那郡松川町のりんご農家で敢行!!
2020年、秋。“りんご”と“笑い”の魅力が詰まった映画が、スクリーンを彩ります!
とのこと。
お金のない学生がやりそうな、予告編だけの作品から生まれたそうだけど、『なんだかんだで切れ味鋭くエッセンスを詰め込んだトレーラーがイチバン面白かった』なんて笑えないハナシは、世の中にはけっこうあるワケでして、本編がお金をかけた大作ならなおのこと、なんてこともね。
でも、まぁそのあたりは、程よい加減の作品でした。
最後の奉納祭までの流れは、まぁありきたりかなぁ、なんて思ったんですけど、最後の最後に、まさかのクライマックスでしたわ。
意図せず、予期せず、思わずの涙腺崩壊^^;
ちょっとヤラレたなぁ。
こっそり呟いた「うれろよ」は『売れろよ』と『熟れろよ』にかかってるのかなぁ。
割と重めの映画2本観た後に、晴れやかな気分でシアターを去ることができて、ハッピーでした。
※元ネタの『実りゆく長野』の動画を貼っておきます。こちらのお父さん役の方、イイ味出てました。
実りゆく長野
●監督・脚本:八木順一朗