一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

小説の神様 君としか描けない物語

私的評価★★★★★★★★☆☆

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映画『小説の神様 君としか描けない物語』公式サイトより引用

 (2020日本)

 中学生で作家デビューしたが、作品はSNSで酷評され、自分を見失った売れない高校生小説家・千谷一也(佐藤大樹さん/EXILE/FANTASTICS)。
 一方、同じクラスの人気者でドSな性格の上、ヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪(橋本環奈さん)。
 底辺作家と人気作家、性格もクラスでの立ち位置も、すべてが真逆の2人に、編集者から下されたミッションー
 それは、2人で協力し、大ベストセラーを生み出すことだった!
 ダメな男子とキラキラ女子、一見正反対の2人が、反発しながらも足りないものを補い合い、物語を一緒に作るうちに、一也は、詩凪の誰にも言えない大きな秘密を知ってしまうー。

友情を超えて近付く2人の距離。悩み傷つきながらも、好きなことをあきらめずに挑戦し続けた先で、2人が生み出す<物語>の行方はー?

ラスト、胸があつくなる。共感と感動No1のファンタスティック青春ストーリー

(映画『小説の神様 君としか描けない物語』公式サイト「STORY」より引用)
shokami.jp


 映像だけなら★10個でもイイかも。
 冒頭からモノクロ映像を引っ張って、カラーに切り替わる瞬間を、今か今かと待ち続け、待ちくたびれて「もしや、モノクロ映画だったん?」て勘違いし始めたころ、やっと……実にあざとく、心地よい美しさに心が動かされます。
 そこだけでなく、あちこちに、カメラに収めたくなるような、ステキな映像がいっぱい使われていて、さらに枯れた女性ヴォーカルの挿入歌がどれも耳に心地よくって、BGVだったとしても満足度の高い、極上の作品だと思いました。


 実は特に期待しないで観に来たんですけど、ストーリーも良かったです。
 ドラマとしては、陳腐だと思われる方もいらっしゃるかとは思うんですけど、監督の演出が良かったんで、見応えがありました。

 小説を書くことを題材としていますので、はっとさせられる〝言葉〟もけっこうあります。
 今は亡き小説家の父との思い出のエピソード、心に響く言葉のオンパレードでした。
 特に、小説を読んでお母さんが泣いてた理由、お父さんの解釈、めっちゃステキだったよ。
 そして、書けなくて悩める息子に、父と結婚した理由を教えた、お母さんの言葉も。

 とにかく、泣ける場面、多し。タオル必携^^;


 文芸部の新入生の小説のプロット作りのために、楽しくテニス部の体験入部取材に出かけたりするエピソードなどは、みんなで青春してる感じが出てて、実にイイ場面でした。

 あと、激しい夕立でビショ濡れのまま駅で待ってた橋本環奈さんが、ニッコリと見上げた表情、サイコーにキュンと来ました^^;

 そう言えば、冒頭からちょいちょい野球部の練習風景が映るんだけど、意味わからんなぁ~って思ってたら、最後にオチあったわ。ふ~ん。そういうことね。ヤルじゃん、でイイのかなwww?


●監督:久保茂昭 ●脚本:鎌田哲生 ●原作:相沢沙呼(小説『小説の神様』/講談社タイガ刊)