一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

どうにかなる日々

私的評価★★★★★★★☆☆☆

f:id:vgaia:20201024091829j:plain
映画『どうにかなる日々』公式サイトより引用

 (2020日本)

1 えっちゃんとあやさん

「そういうワケで、ファーストキスは女の子なんだけど」
 かつて同性からモテモテだった女の子“百合(声:早見沙織さん)”は、いつのまにか男性と結婚。結婚式に友人として参加していたのは、百合の“高校時代の彼女”えっちゃん(声:花澤香菜さん)と、“短大時代の彼女”あやさん(声:小松未可子さん)。元恋人の結婚式で傷心のふたりは、お互い惹かれ合い——

2 澤先生と矢ヶ崎くん

「先生、首、きれいですね」
 味気なく、特に感慨もない卒業式の日。男子校の教師・澤(声:櫻井孝宏さん)は突然、生徒の矢ヶ崎(声:山下誠一郎さん)に告白をされる。澤の波立つ心とは裏腹に、卒業式は変わらず毎年やってきて…。

3 しんちゃんと小夜子

「今だから言うけど、ぼくほんとはさみしかったんだ」
 親に勘当された従姉の小夜子(声:ファイルーズあいさん)と、一時的に同居することになったしんちゃん(声:木戸衣吹さん)。夏休みの宿題を一緒にしていた幼馴染み、みかちゃん(声:石原夏織さん)としんちゃんは小夜子が出たAVを興味本位で見てしまう。ふたりは戸惑う気持ちを抱えながらもそれぞれ成長していく——

4 みかちゃんとしんちゃん

「しんちゃんが誰にも言わないでって言ったから」
 中学2年生になった幼馴染みの、みかちゃんとしんちゃん。しんちゃんの従姉・小夜子が出演した1本のビデオに未だ囚われながら、思春期の距離感ともどかしさが、ふたりを包むリアルな青春物語——

(映画『どうにかなる日々』公式サイト「Episode」より引用)

dounikanaruhibi.com

 PG12=〝12歳未満には、成人の保護者の助言が~〟とか言うヤツ。

 12歳未満が適切な年齢のくくりかどうかは知らないけど、思春期前の未成熟な年ごろでも、恋愛とかセックスとかよく分からないけど、大人やいとこのお兄さんお姉さんたちがタブーにしてるみたいなモノに対する興味はあったよなぁ、なんて思い出しました。

 この歳になっても、適切な助言はできませんので、ボクに付いてこの映画を観るのは止してください^^;



 かつての彼女の結婚式で出会った、元カノ同士という立場の女の子たち。

 卒業を期に男子高校生に告白され、心が揺らいだにもかかわらず、特に何にも起こらないまま毎年卒業を見送る若い男性教師。

 思春期の入り口に立った生真面目な小学5年生の男の子と、大人の世界を垣間見せてくれる性にオープンな感じの従姉のお姉さん。

 その従姉のお姉さんの大人のチカラに囚われ、惑わされ続けていた幼馴染の女の子と、ともに高校生になった男の子。


 最初のエピソードは、あまりピンと来なかったんですけど、観進めるうちに、どれも、誰かを想う気持ちが切なくて、その心の揺らぎの余韻を残してエピソードを終うところが、なんかしら心に刺さって来るのを感じました。

 誰かを好きになるって、不思議な感情の揺らぎだなぁ、なんて思ったのです。

 そして、誰かを好きになれる人は、幸せだ、とも。

 ボクは、今さらでも、誰かを好きになれるのかなぁ、なんて。



 ところで、〝Happy go lucky day(どうにかなる日々)〟って、まぁ、『人生、どうにかなるさ』的な意味だと思うんだけど、全編通して観た感じ、このタイトルの意味は、ちょっとしっくり来なかったんですよねぇ。実際、どういう感じで付けたタイトルなんでしょう?

 でもまぁ、ボクらはいろいろな心の揺らぎに戸惑いながら日々を送っているけれど、その都度、何とかなって今に至ってるのでしょうから、そういう感じなのかなぁ?


 オムニバス短編でしたが、なんだか心に残る、佳作でした。


●監督:佐藤卓哉 ●演出:有冨興二 ●脚本:佐藤卓哉、井出安軌、冨田頼子 ●原作:志村貴子(コミック『どうにかなる日々』/太田出版) ●アニメーション制作:ライデンフィルム