一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ジオラマボーイ・パノラマガール

私的評価★★★★★★★★☆☆

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映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』公式サイトより引用

 (2020日本)

 東京に住む平坦で平凡な高校生・渋谷ハルコ(山田杏奈さん)、16歳。ある夜、橋の上で倒れていた神奈川ケンイチ(鈴木 仁さん)にひとめぼれする。“世紀の恋”だとはしゃぐハルコに対して、真面目でおとなしげなケンイチは、受験目前、衝動的に学校を辞めてしまいそれどころではない。さらに勢いでナンパした危険な香りのする女の子・マユミ(森田望智さん)に夢中になっていく。二人の平行線の恋はどこへ行くのか。友だちや家族や自分、悩みもがく少年少女の刹那的な視線を切り取った、恋と成長の物語。

(映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』公式サイト「STORY」より引用)
gbpg2020-movie.com


 立体交差する橋、のっぽの少年と、チビの少女。
 高低差とすれ違い。
 工事中のビルの群れと、昭和の一軒家。
 変革を求めてデモに参加する看護師。
 変わっていく風景や風俗と、変わらない〝人を好きになるキモチ〟。
 Boy meets Girl~Girl meets Boy~Girl meets Girl~
 いろいろな対比がおもしろい。


 ストーリー的には、高校生たちがワイワイ騒ぐような展開の中、マユミの存在が、パンチが効いてて、ドラマの強烈なアクセントになってた。

 出演者では、ハルコの母役に大塚寧々さん、ケンイチの姉役に成海璃子さんと、大人サイドに毒を含んだ女優さんを並べてるの、すごく安心感覚えて良かったよ。大好きな女優さんたちだし。知らない若い役者さんばかりだと、なんかしら疎外感覚えちゃうような世界のハナシなモンでさ^^;
 あと、ハルコ役の山田杏奈さんが、すごく良かった。仕種、表情、イキイキと演じてた。等身大の女子高校生の役に入り込んでて、良かった。前髪ぱっつんも可愛かった^^



 まぁね。
 自分が分別臭いオッサンになってしまったことを痛感させられる映画だったな。

 高校生ぐらいの年頃が、人生でイチバン輝いてるのかなぁ。

 周りの意見より自分の思い付き。
 たとえ手痛い失敗をしても、この世の終わりかと言うぐらいヘコんでも、短時間で思い切った転換ができる軽やかさ。

 ハラハラ・ドキドキ、イライラ・ムカムカ。
 悪気なく軽いノリで、刹那的に犯罪までしでかすような危うさばかりで、分別臭い大人は、ぐったりと疲れてしまう。

 でも、とびっきりシアワセいっぱいに見えちゃうんだよなぁ。

 いや、彼ら・彼女らは、一所懸命で余裕ないのかも知れない。

 もう、あんなに枠をはみ出したハッチャケ方ができないオッサンの、やっかみでしかないかな?
 と言うか、そう言うハッチャケ方を人生のどの時期にも実践しそびれたオッサンの、ため息なのかもな。


 なぜか、観ている間中、ず~っとイラっとし続けてたのに、観終えたら、なんかスカッとしたというか、また機会あったら観たいな、って思ったよ。
 たかが青春、されど青春、若さは羨ましいけど、老いてももうちょっとだけ青春の端っこ、掴んでいたいオッサンであった。


●監督・脚本:瀬田なつき ●原作:岡崎京子(コミック『ジオラマボーイ・パノラマガール』/マガジンハウス刊)