一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

きみの瞳が問いかけている

私的評価★★★★★★★★☆☆

f:id:vgaia:20201206033557j:plain
映画『きみの瞳が問いかけている』公式サイトより引用

 (2020日本)

視力を失くした女と、罪を犯し夢を失った男。
暗闇で生きてきた2人が初めて見つけた、ささやかな幸せ。
だが、あまりに過酷な運命が彼らをのみこんでいく──。

 目は不自由だが明るく愛くるしい明香里(吉高由里子さん)と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星さん)。小さな勘違いから出会った2人は惹かれあい、ささやかながらも掛け替えのない幸せを手にした──かに見えた。
 ある日、明香里は、誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。以来、ずっと自分を責めてきたという明香里。だが、彼女の告白を聞いた塁は、彼だけが知るあまりに残酷な運命の因果に気付いてしまっていた──。

(映画『きみの瞳が問いかけている』公式サイト「STORY」より引用)
gaga.ne.jp


 あ~! 町中華の伝道師・坂ノ上茜さんが出とる~!


 むか~し、小学生くらいのときに観たチャップリンの映画に、盲目の花売り娘の目を治すためにチャップリン演じる浮浪者がボクシングの八百長試合に出るという話があったなぁ、とぼんやり思い出したがタイトルが分からないのでWikipedia先生にお願いしたら、どうやら『街の灯』という映画らしい。チャップリンの映画はセリフがないのに大げさな仕種で笑わせてくれるので、特に大振りしながらドタバタするボクシングの場面は、子どものボクでも大笑いしながら観ていた記憶がある。
 で、ついでにWikipedia先生が教えてくれたんだが、原案の映画『ただ君だけ』は、『街の灯』をモチーフにした韓流映画だったらしい。

 あざとい偶然と運命の連鎖で揺れ動くメロドラマって、昭和の昼メロか韓流ドラマかって雑に思ってるんだが、驚くほど予想どおりにベタなメロドラマだった。
 ただ、多かれ少なかれ、古今東西のドラマは、おそらく似たり寄ったりで何種類かのパターンに分類されるんだろうと思うので、あとは、見せ方の工夫だったり、時代による世相の反映だったり、あるいは出演者の力量だったりで、観る者を惹き込んでくれたらイイのだと思う。

 とは言え、ある程度『あからさまに泣かせてやろうという映画に違いない』などと予想して、他に観たい映画を優先してたらずいぶんと後回しになってしまったのだな。
 で、本日午前中、やっと他に競合する〝今観たい作品〟がない時間帯に、ちょうど本作の上映があったので観た次第。

 確かに、あざとい設定ではあった。
 逆に言えば、ストーリーはシンプルに分かりやすい、古典的とも言えるパターンなので、あとは出演者の演技と監督さんの演出の妙を楽しむだけ、と言えた。

 横浜流星さんの鍛え上げた肉体美にオッサンもため息^^;
 動と静の演技をキリッと切り替える横浜さん、なかなか良かった。

 それより、独特な声質で突飛なキャラを演じることが多い印象のため、あんまり好みじゃないと思ってた(ゴメン)吉高由里子さんが、めっちゃ良かった。
 首を傾げたり、目線を外したり、目が見えない時の表情がすごく魅力的に変化して、胸がきゅんきゅんしてしまった。これは、惚れてまう^^;

 そして、物語の後半は、畳みかけるように次々と場面が展開。
 最後は……吉高さんのセリフに、ついに涙腺崩壊(ToT)
 続けざまに、彼女の仕種。
 真っすぐ見つめるんじゃなくて、またしてもちょっと目線を外して、絶妙な間をおく。
 ノックアウト(_□_:)……完全に。惚れてまった^^;

 思いもよらず、良い作品だったわ。


●監督:三木孝浩 ●脚本:登米裕一 ●音楽:mio-sotido ●原案:映画『ただ君だけ』(Based on “Always”)