一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ウルトラマンティガ 第36話『時空をこえた微笑』

私的評価★★★★★★★☆☆☆

ウルトラマンティガ Complete Blu-ray BOX
ウルトラマンティガ Vol.9 [DVD]

 (1997日本)

「暗いぞ、もっと元気な顔をして!」

 かつて消息不明になっていた船舶や飛行機が突如出現するという事件が発生。ヤズミ(古屋暢一さん/ジャニーズJr.)は同じ現象によって過去から現れた少女の調査を命じられた。折しも全ては時空間を操る怪獣の仕業である事が判明、GUTSの怪獣撃退作戦が始まるが…。
(DVDパッケージから引用)


 1996年~1997年にかけてTBS系列で放送された〝ウルトラマンティガ〟全52話のうちの第36話です。
 制作は系列のMBS毎日放送大阪府)。
 タイトルの読み方は『ときをこえたほほえみ』
 サブタイトルは〝超力怪獣ゴルドラス登場〟
 DVD同時収録は、
  ・第33話『吸血都市』 〝吸血魔獣キュラノス登場〟
      (監督:村石宏實/脚本:長谷川圭一特技監督:村石宏實)
  ・第34話『南の涯てまで』  〝生体兵器デシモニア登場〟
      (監督:村石宏實/脚本:小中千昭特技監督:村石宏實)
  ・第35話『眠りの乙女』  〝宇宙鋼鉄竜グワーム、超宇宙人デシモ星系人登場〟
      (監督:石井てるよし/脚本:小中千昭特技監督:大岡新一)


 個人的には、ウルトラマンティガシリーズ中でも、特に印象に残っている作品のひとつです。

 昭和初期の女学生テヅカ・ユリ(神谷涼-かみやさやかさん)が、時空を超えて現代の町・サクラガオカに突如現れた。
 GUTSのメンバーであるヤズミ隊員が、彼女の事情聴取を担当することになるが、ユリを一目見た瞬間、ヤズミは不思議な既視感を覚える。
 ヤズミはユリから聴取した彼女の住まいを訪ねるが、そこはすでに大きな道路と化していた。
 不安に駆られ取り乱すユリをなだめ、彼女を元気づけるため、デートに連れ出すヤズミ。
 ユリは初めて目にする現代の諸々に戸惑いながらも、ヤズミの優しさに触れ、次第に落ち着きを取り戻す。
 時空を超えて様々なモノが現れる事象は、時空間を自在に操る怪獣ゴルドラスの仕業であったが、GUTSメンバーのホリイ隊員(増田由紀夫さん)は、原因が解消されたら、その瞬間ユリにも止まっている時間が一気に押し寄せ、彼女は白髪の老婆に、場合によっては骸骨になってしまう恐れがあるとヤズミに伝える。
 何も事情を理解していないユリは、怪獣との戦いに赴くヤズミにデートの礼を伝えると、ヤズミの駆るシャーロックに向け、いつまでも手を振り続けるのだった。
 そして、ゴルドラスの弱点をピンポイントで攻撃するため、トリガーボタンの操作を委ねられたヤズミは、サイドミラー越しに見た少女の手を振る姿を思い浮かべながら、意を決したようにグイッとボタンを押し込み……。

 てなお話。
 30分枠の番組で実質20数分しかない本編で語るには、あまりにも尺が短すぎるエピソードですが、ヤズミの心情に沿ったストーリーテリングで、比較的感情移入はしやすかったです。
 ただ、ユリ役の神谷さんの表情や動きが硬く、演技がこなれてなかった印象だった(とは言え、落ち着いたトーンの彼女のしゃべり方と声質はボクの好みだったのですよ^^)のと、冒頭のヤズミの夢のシーンで、最初っからネタが割れてたことで、興ざめしてしまう方もいらっしゃるかも知れません。
 しかし、いろいろ難しい環境の中でも、グイッと気持ちを高ぶらせてくれた右田昌万さん、長谷川圭一さんの脚本は、素晴らしかったと思います。

 ミラー越しに、いつまでも手を振り続ける少女の姿が、とても印象深いです。

●監督:石井てるよし ●脚本:右田昌万長谷川圭一 ●特技監督:大岡新一