一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

架空OL日記

私的評価★★☆☆☆☆☆☆☆☆

映画『架空OL日記』 Blu-ray通常版

 (2020日本)

 憂鬱な月曜日の朝。銀行員OLの“私”(バカリズムさん)の1週間が始まった。眠気に耐えながらもきっちりメイクして家を出る。ストレスフルな満員電車に揺られ、職場の最寄り駅で合流するのは社内で一番仲良しの同期=マキ(夏帆さん)。私と価値観の近いマキとの会話は、時に激しく不毛ながらも不思議に盛り上がる。会社の更衣室で後輩のサエ(佐藤玲さん)と入社8年目の小峰(臼田あさ美さん)、10年目の酒木(山田真歩さん)が加わり、いつものように就業前のおしゃべりに華が咲く…。
(映画『架空OL日記』公式サイト「STORY」より引用)

www.kaku-ol.jp


 をとこもすなる日記といふものを をむなもしてみんとてするなり

 バカリズムさんが、匿名でOLになりすまして書き綴ったブログ〝架空OL日記〟が本になり、テレビドラマになり、ついには映画になったということらしい。
 体裁を見ると『男が書く日記と言うものを女である私も書いてみた』という紀貫之の〝土佐日記〟へのオマージュというか、パロディのつもりで始めたのだろうかね?


 バカリズムさんは、鋭い人間観察力で、人の業を面白可笑しく突いて、独特の笑いに仕立てるスタイルを確立されたパイオニア的存在だと思う。
 本作も、OLの日常をつぶさに観察して、毒を含んだ諧謔味をふんだんに織り込みながらも、決してコメディに仕立てることなく、むしろ演者がごくごく真面目にドラマに徹していることで、却って皮肉が効いた面白さが際立ったという印象だ。

 しかし…

 正直、ボクの中の女性アレルギーがひどくなっただけ。

 おそらく、OL(最近はOLという言葉も差別的表現らしいが、あえてここでは使うことを容赦願う)の方々にとっては、あるあるなエピソード満載なのかとは思う。

 しかし、OLたちに邪魔者扱いされる管理職である〝男〟と、今や同じ立場の自分には、とても手放しで笑えるカンジにはならなかった。せいぜい、苦笑い^^;
 たぶん、自分が20代とか若くて組織の中での立場が受け身一方だった頃なら、フツーに笑って観てられたと思う。

 ということで、あくまで個人的な感想・評価なので、★は厳しめでスマン。


 ところで、どうやってネタを仕込んだんだろう?
 特に、女子更衣室という聖域の中での出来事や会話は、男どもには知りようがないから奔放に振る舞っているワケで、なんか『???』なカンジだけど……。


●監督:住田崇 ●脚本・原作:バカリズム(小説『架空OL日記』/小学館文庫) ●主題歌:吉澤嘉代子『月曜日戦争』(日本クラウン