星空のむこうの国
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(2021日本)
それはなんでもない
秋の一日‥‥‥のはずだった。
相舞高校・天文部の森昭雄(鈴鹿央士さん)はトラックに轢かれる寸前のところを親友の尾崎誠(佐藤友祐さん/lol -エルオーエル-)に助けられてからもう2ヶ月ほどたつが、それ以来変な夢ばかりみるようになった。見たことのない美少女が昭雄をじっと見つめて何かを語りかけてくるような夢だった。
尾崎は夢なんかに逃げないで「リア充をめざせ!」なんて言ってくるけれど、昭雄だって別にモテないわけではない。
図書委員の賀村愛弓(伊原六花さん)は先輩の昭雄にぞっこんで、親友の今井圭子(福田愛依さん)に後押しされ一世一代の告白をしようとしていた。しかし、夢の美少女が気になってうわの空の昭雄はそんなこと意に介さず、家路へと足を向けた。すると、向かいのバスに夢の美少女を見かける。昭雄は急いでバスを降り彼女の乗るバスに向かうと、彼女もバスをおり駆け寄ってきた。そして彼女が涙をためて昭雄を抱きしめた瞬間、忽然と姿を消してしまう。
昭雄は夢か現実かわからぬまま帰宅すると、そこには自分自身の遺影があった──。
昭雄が交通事故にあって死んでしまった世界と、尾崎に助けられた世界が並行して存在し、助けられた世界の昭雄が今いる世界に来たのではないかと推測した尾崎は、パラレルワールドで昭雄を美少女に合わせることにした。
美少女の名前は坂口理沙(秋田汐梨さん)、在りし日の昭雄の恋人で、重い病気に冒されている。
理沙は、2ヶ月間ある約束を果たすために、死んだはずの昭雄をずっと呼び続けていた。その理沙の想いが、別の世界線に生きる昭雄に届いたのだ。
昭雄は、約束を果たす為に理沙を病院から連れ出す決心をする。
主治医の上田聡(川久保拓司さん)と理沙の母親・恭子(有森也実さん)は理沙の姿が見えなくなったことに気づき病院へ連れ戻そうと二人を追いかける。
理沙の病状は思った以上に深刻だった。
なにかがはじまって、なにかが終わる予感が少しだけしていた。
なんでもない秋の一日だと思っていた今日は11月11日。
33年にいちどのシリウス流星群が地球に最接近する日だった。
まっすぐに惹かれ合う昭雄と理沙は、時空を超えた約束を果たすことができるのだろうか。星が引き合わせた二人の運命やいかに──。
(映画『星空のむこうの国』公式サイト「ストーリー」より引用)
hoshizora-movie.jp
映画館のチラシのみを見て、何の予備知識もなく観に来た映画。
こっちらの地方じゃ、シネコン1館しか上映がない作品はままあるものの、1週目以外は観覧に来にくい時間帯の上映になりがちなので、たいてい見逃してしまうんだが、今回はたまたま観たい映画の最終上映日に、ちょうど空き時間がうまくハマったというワケだ。
〝なぞの転校生〟とか、〝未来からの挑戦〟とか、NHK少年ドラマシリーズのような〝昭和のジュブナイル〟を彷彿とさせる作品だなぁって思ってたら、クレジット見て納得。
小中和哉さん監督作品だったのね。
さらに、これ、小中和哉監督が22歳の1986年に、有森也実さん主演で制作した同名作品のセルフリメイクだったとは驚き!
それで有森也実さんが出演されてたんですね!
しかしまぁ、なんて小中監督らしい、ロマンティックなSFファンタジーでしょう!
クライマックス、嘘くさいCG(すまぬ。たぶんあんな派手な輝き方する流星はない^^;)で演出されたシリウス流星群を見上げながら…「違う、そうじゃない。」ここは安易にそんなオチに持ってっちゃいけない!──ボクもそう思ったよ。
心を持ってかれないように、斜に構えて観てたはずが、我知らず、いつの間にやら完全に心掴まれてたらしい。
フェードアウトからのしばしの暗転に不安を募らせ、エンドロールを待っていると……やられた!
最後に小中和哉さんらしい優しさ感じて、とっても胸が熱くなり、凄く爽快な気分で劇場を後にしたワケなのだよ。
ストーリー的には古臭いかもしれんけど、こういうのなら、嫌いじゃないな。
※予告編
www.youtube.com
※小中和哉監督作品の佳作の数々
vgaia.hatenadiary.org
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●原案・監督:小中和哉 ●原作・脚本:小林弘利 ●音楽:木住野佳子 ●主題歌:lol -エルオーエル-『2 your world』