一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ライアー×ライアー

私的評価★★★★★★★★☆☆

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映画『ライアー×ライアー』公式サイトより引用

 (2021日本)
 
義理の弟が恋したのは、JKのフリした私!?

ホントの私×義理の弟×ウソの私!?!
〈2人なのに三角関係〉 新感覚ラブストーリー!

 恋愛経験ゼロの地味系女子大生・湊(森七菜さん)は、両親の再婚で義理の弟になった同い年の透(松村北斗さん/SixTONES)と同居中。超無愛想だけどイケメンで女癖の悪い透が原因で、2人の仲はギクシャク、お互いに冷たい態度を取り合っている。
 ある日、親友・真樹(堀田真由さん)の頼みで高校の制服にギャルメイクで街に出た湊は、偶然にも透に遭遇……。湊はとっさに別人のJK“みな”だとウソをつき、それを信じた透は“みな”にまさかの猛アプローチをかけてきた―!!
 すぐに正体を明かすつもりが、専用のスマホをプレゼントしたり、女関係を全部清算したり、見たこともない健気で一途な透の姿に、真実を言いづらくなった湊は、“みな”として透と付き合うことになってしまう。付き合い始めると透の愛情表現はますます強くなって、デート中突然抱きしめたり、公衆の面前でキスを迫ったり、挙句の果てにはみなのためと一人暮らしまで始める始末。
 貞操の危機まで訪れて、これではダメだ!と別れるタイミングをうかがう湊だが、「付き合ってくれて本当に嬉しいよ」と笑う透の顔を見て、不覚にもキュンとして……!?そんな時、大学のサークル交流会で再会した幼馴染の烏丸(小関裕太さん)からも告白され、ありのままの自分を好きになってくれる烏丸に心惹かれる。
 透と別れる覚悟を決めた湊は、「これを最後にするんだ」と“みな”に変装し、親の海外転勤についていくというウソで、別れを切り出す。「別れたくない。俺、みなが好きだ……」と涙を流す透。
 真っ直ぐな想いに胸が苦しくなった湊は透を思わず抱きしめる。
 透と別れたことで、湊は烏丸と付き合うが、透を傷つけた罪悪感で心はずっともやもや……。一方の透は、“みな”と別れたショックで落ち込んで、家に引きこもっていた。そんな透の様子を、透の唯一の友人・桂(七五三掛龍也さん/Travis Japan/ジャニーズJr.)から聞いた湊は、再びJK“みな”になり、透のもとに走り出す―。 湊のウソはバレる?バレない?
そしてラストに明かされる、もう1つの《ウソ》とは!?

(映画『ライアー×ライアー』公式サイト「STORY」より引用)
liarliar-movie.asmik-ace.co.jp


 わかりみしかない、潔さ満点のラブコメ^^;

 設定からオチまで、ほとんどの方が分かってて成り行きを見守るカンジって、どうなんでしょう?
 主役の二人のファンの方なら、間違いなく二人の一挙手一投足にアツい視線を送っていたことでしょう。
 分かっててこじれるストーリーにも、面白がりながら悶絶できるのかも知れません。
 素直に自分の気持ちに向き合えない二人の心情にも、深く納得できることでしょう。

 しかし、恋愛映画が苦手なオヂサンにとったら、透とミナが付き合い始めてからのイチャラブ的な場面の連続は「恥ずくて見てられんなぁ」という感じだったし、「なんで何度もミナに変身して逢いに行ってまうねん?」てなもんで、湊自身も気づいていない彼女の本音になかなか寄り添えなくて、ちょっといたたまれなさを覚え始めたんですよねぇ。
 そのあたりで、思わず時計を確認してしまったんですが、まだ半分くらい……う~ん、先が長いなぁ……。

 でも、ここで烏丸登場。
 ラブコメは、こじれるほどに面白いワケですから、これは必然の展開です。
 「どうせ当て馬だよなぁ。だけど、人の良さそうな笑顔が却ってイジワルな裏の顔を妄想させるから、何かやらかしてくれるのかなぁ?」なんて、ちょっとワクワクしながら成り行きを観てました。

 で、「おおッ」と思ったのが、烏丸が、透もいる湊の家で晩ごはんを一緒に食べることになったところ。
 厚かましくて強引だとは思ったけど、ここを逃すと2時間の尺にお話を落とし込めない^^;てなもんで、湊が見ていない廊下で、烏丸と透が対峙して、何やら不穏な空気が……あとでどんなやり取りがあったのかタネ明かしがあるんですが、烏丸だけが気づき、のちの行動に出るきっかけとなるこの場面は、物語を大きく動かす起点になったのは間違いないですね。
 でも、でもですよ。よくよく考えたら、こういうのって、コミック的にはよくある、あざとい展開とも言えますよね。ま、コミック原作だしね。あんまりツッコむとこじゃないか^^;

 なんだかんだで、結局予想を超える展開はないんですけど、全体的には、なかなか丁寧に三人の心情と行動を描いていて、演出・脚本とも良いな、と感じました。
 特に残り30分くらいのストーリーは、なかなか見応えあり、見事な落とし方だったと思いましたね。

 オヂサン的には、主役の二人より、最後は烏丸に感情移入してしまってました。
 烏丸クン、決してカッコ悪くはなかったよ。予想どおりだったんだろ? 強引だったけど、きっと胸が張り裂けそうなくらい、強く湊のことを想ってたんだよね。むしろ、カッコいい当て馬役だったじゃないか。でも、これが現実だったら、つらいよね。

 と言うことで、予想より、意外に良かったので、少し甘めの★8つです^^


●監督:耶雲哉治 ●脚本:徳永友一 ●音楽:遠藤浩二 ●原作:金田一蓮十郎(コミック『ライアー×ライアー』/講談社KCデザート刊)