大怪獣ガメラ
私的評価★★★★★★☆☆☆☆
(1965日本)
北極海で米空軍が国籍不明の戦闘機を撃墜すると、積んであった原爆が爆発し、衝撃で氷山の中からガメラが蘇る。日本を襲ったガメラは、なす術もない人類に絶望感をもたらすが…。
のっけから米軍の会話や調査隊とエスキモーの会話が英語でやり取りされ、字幕出まくりの上、けっこう難しい漢字が混じっているので、決して子ども向きではないのかと思いきや、北極海の展開から日本に場所が移ると、灯台守の子どもが登場してきて、ガメラは悪くないと言い張って必死に庇うとか、まぁなんだかどこら辺を対象に制作されたのかよく分からない作品です。
後半にガメラをどう退治するかという国際会議になると、外国人の登場人物が急に日本語をしゃべりだして、どうもご都合主義的に感じて、日本語だけにするか、字幕を通すか、どっちかに徹底してほしかったです。
特撮は光学合成ですが、なかなかよくできていると思います。ミニチュアもよく出来ており、ガメラの大怪獣感がよく表現できていました。ミニチュアの中に人間の動き回る影を合成していたのは、なかなかのアイディアだと思います。
水害で冠水した町並みや爆発炎上する火災現場など、災害現場がたくさん出てきますが、実際の映像なんでしょうか? それとも特撮?
●監督:湯浅憲明 ●脚本:高橋二三 ●特撮:築地米三郎
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
私的評価★★★★★★★★☆☆
(1966日本)
ニューギニアの部族が秘密にしていた巨大なオパールの宝石。欲に目のくらんだ男たちが日本に持ち帰ったオパールは、大怪獣バルゴンの卵だった。ニューギニアから来た部族の女性の協力の下、自衛隊が大怪獣バルゴンを封じ込めるための作戦を実行するが…。
ガメラ第2弾。カラー作品になりました。
前回の作品と違って、人間の欲望の浅ましさが招いたバルゴンの悲劇を、人間ドラマの部分で分厚く描いているところに、見応えがありました。登場人物それぞれの立場から表出するさまざまな感情や言動が、すべて腑に落ちる展開で、実にすばらしい。特に、小野寺(藤山浩二さん)の徹底したクズっぷりがすばらしい。大人のドラマだと感じました。
操演もすばらしく、バルゴンの動きが生き生きとしていました。
●監督:田中重雄 ●脚本:高橋二三 ●特技監督:湯浅憲明 ●操演:恵利川秀雄
大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(1967日本)
富士山が噴火し、ガメラが火口に飛び込んだことから、調査団がヘリコプターで現地に向かう。麓の高速道路予定地の山中で、緑色の怪光を放つエリアが発見され、そこから発せられた超音波により、調査団のヘリコプターは真っ二つに切断され、墜落する。高速道路建設に反対する村長の孫が、緑色の怪光を放つ洞窟で発見したのは、大怪獣ギャオスだった。
村長の孫の少年が、主役?
この作品は、明らかにガメラ=子どもの味方みたいな位置付けになってきているように感じます。終わりに子どもの合唱による主題歌まで流れて、明らかに子ども向けを意識した作品作りと言えるでしょう。しかし、大人の鑑賞にも堪える、娯楽作品に仕上がっていると思います。怪獣の着ぐるみも、チャンピオンシリーズのゴジラなんかに比べて、ずいぶん出来がいいと思います。
特撮、ミニチュアと人間の合成、すばらしいですね。ヘリに搭乗する空港のシーンに、痛く感心しました。大映特撮、侮れません。
●監督:湯浅憲明 ●脚本:高橋二三 ●特撮:藤井和文 ●操演:金子芳夫