ブラジルから来た少年(The Boys from Brazil)
私的評価★★★★★★★★★☆
(1978イギリス)
ナチスの残党狩りで功績のあったユダヤ人老人のリーバーマン(ローレンス・オリヴィエさん)の元に、南米パラグアイから1人の青年が電話を寄こしてきて、元ナチスのメンゲレ博士(グレゴリー・ペックさん)が、2年半の間に65歳の公務員を94人殺害する計画を企てている、と伝えてきました。電話は途中で途切れ、リーバーマンはメンゲレの陰謀を調べ始めますが、やがて驚愕の事実が浮かび上がってきます。果たして、狂気の人体実験を繰り返していたメンゲレの計画とは…?
ブラジルから来た少年…いったい何のことでしょう?---淀川長治さんなら、こう言ってしまいそうです。ネタばれに引っかかるので、ボクも触れないことにしましょう。
こんな映画を見てしまうと、今の映画は薄っぺらなのが多いよなぁ…なんて思ってしまいます。ストーリーの奇抜さもさることながら、ジェリー・ゴールドスミスの音楽が醸す緊迫感、そして見終わったあとまで残る、最高にゾッとする怖さが何とも言えません。しかも。最高のエンターテインメントは、ネタが分かっていても、繰り返しの鑑賞に堪えうるという、典型的な作品です。今回の鑑賞は3度目でしたが、やはり、おもしろかったです。
日本では劇場未公開だったのだそうです。ナチスの残党の陰謀を描いた作品として、政治的な配慮でもあったのでしょうか? 秀作なのですが。
●監督:Franklin J.Schaffner フランクリン・J・シャフナー ●音楽:Jerry Goldsmith ジェリー・ゴールドスミス