一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

青いうた 〜のど自慢青春編〜

私的評価★★★★★★★☆☆☆

青いうた ~のど自慢青春編~ スペシャル・エディション [DVD]

 (2005日本)

 ケセラ・セラ、ケセラ・セラ、ケセラ・セラ…3回唱えれば願いが叶う

 青森県むつ市。問題を起こして一年留年した達也(濱田岳さん)、純真な心を持つ弟の良太(冨浦智嗣さん)、彼らの友人の俊介(落合扶樹さん)と恵梨香(寺島咲さん)は、リョーターズを結成し、中学の卒業パーティで合唱をすることになりましたが、舞台に登場したところで、達也と対立していた赤髪の不良グループが乱入し、リョーターズの出番はめちゃくちゃになってしまいました。卒業後、達也は町工場で働き、良太は中華料理店へ、恵梨香は昼間は美容院で働き、夜は美容学校へ通い、俊介は東京の進学校へと、それぞれの道を歩み始めます。ところが町工場の単調な日々に嫌気がさした達也は、ほどなく故郷を捨てて念願の東京に向かいました。しかし、安直な夢は早々に破れ果て、達也はヤクザの組事務所に身を置くことに…。そして1年が経とうとするころ、むつ市でのど自慢大会が開かれることになり、良太は再び4人で舞台に立つことを夢見て兄に連絡をとろうとしますが…。


 貧しさの経験から拝金主義になり、カネでモノを手に入れることが一番のしあわせと信じる達也。その兄を幼い頃から慕い続け、信じ続ける、純真な弟。どんなにダメさ加減をさらしても、達也のことが忘れられない恵梨香。その恵梨香を振り向かせたい俊介。4人それぞれの生き方が、それぞれに青くて、痛くて、切なくて…仕方ないのです。特に達也の壊れた生活ぶりが、かなりハードに描かれており、そんな達也をどうしても心から消し去れない恵梨香のキモチが、より一層切なく感じられました。

 最後は、幼い夢は破れても、信じてくれる人がいればやり直せる、そんな感じかな?

●監督:金田敬