一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形‐

私的評価★★★★★★★★☆☆

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形‐』公式サイトより引用

 (2019日本)

……大切なものを守るのと引き換えに僕は、僕の未来を売り払ったんだ。
良家の子女のみが通うことを許される女学校。父親と「契約」を交わしたイザベラ・ヨーク(声:寿 美菜子さん)にとって、白椿が咲き誇る美しいこの場所は牢獄そのもので……。
未来への希望や期待を失っていたイザベラの前に現れたのは、教育係として雇われたヴァイオレット・エヴァーガーデン(声:石川由依さん)だった。
(『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形‐』公式サイト「STORY」より引用)

www.violet-evergarden.jp



 職場で話題になってた〝天気の子〟とどっちを見ようかと考えてたんだが、3週間限定らしいので、こっちに来た次第。
 BGMのクラシックの演奏が重厚ですごかった。


 貧困を極めた孤児の少女が、血のつながっていない妹分と別れ別れになって、上流社会にデビューするための教育を受ける。
 孤児に対する世間の冷たい仕打ちがあるんじゃないか、とか、上流社会にデビューするために入った全寮制のお嬢様学校で陰湿なイジメに遭うんじゃないか、とか、不愉快な妄想に気をもみながら観続ける。
 でも、事件らしい事件は起きない。淡々と特別なレッスンの日々が続くだけ。
 それなのに、思いもかけず、ほろほろと涙があふれ、もう紅くもないほほを伝って、静かにこぼれ落ちていた。
 人の、真っ直ぐな優しさだけがあふれる作品だった。

 エンドロールで茅原実里さんの歌声が聞こえる。
 久々に耳にした彼女の歌声に、胸が高鳴った。
 クレジットを見つめたまま、脱力してしまい、しばらく立ち上がれそうな気がしなかった。

 アニメ見ないって言ってるのに、最近けっこう見てるのは、たぶん、普通にココロを震わせられているから。
 今日も、イイ作品に出会えた。


●監督:藤田春香 ●脚本:鈴木貴昭、浦畑達彦 ●原作:暁 佳奈(小説『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』/KAエスマ文庫京都アニメーション) ●アニメーション制作:京都アニメーション