一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

夜は短し歩けよ乙女

私的評価★★★★★★★★★★

「夜は短し歩けよ乙女」 Blu-ray 通常版

 (2017日本)

こうして出逢ったのも、何かのご縁

 クラブの後輩である〝黒髪の乙女(声:花澤香菜さん)〟に思いを寄せる〝先輩(声:星野源さん)〟は、今夜も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行していた。春の先斗町で、夏の古本市で、秋の学園祭で、〝乙女〟に近づこうとやっきになるも、空回りの連続。そんな〝先輩〟の思いを知る由もない天真爛漫な〝乙女〟は、自らの興味の赴くままに、夜の街を歩き続ける。京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、一夜のうちに季節が巡りゆく不思議な夜がどんどん更けてゆく。外堀を埋めることしかできない〝先輩〟の思いはどこへ向かうのか! ?


 とりあえず、この映画を腹の底から〝オモシロイ!〟と思える自分が、シアワセ者だと思う。

 もう、ちょっとヤバい。自分も黒髪の乙女になって、この興味深い一夜を体験してみたい。
 登場人物の個性が、たまらなくイイ。
 不思議な出来事の数々が、自分の感性に共鳴し過ぎて、〝ナンダ、コレ! オモシロスギ!〟って、めちゃくちゃ映画の世界にどっぷりとはまって観てた。
 クライマックスで怒涛のように畳みかける〝先輩〟の内なる世界のカオスから、ラストのなんとも言えない〝ほっこり感〟へと落とし込むストーリーの締め方、胸が震えるほど感動してまった。
 色彩、キャラクターデザイン、ディテールを描きこまない画風――どこかしら懐かしさを覚えるようでありながら、個性的で新鮮。けっこう、好き。
 なんか、久々に、何の忖度もなく、ひたすら純粋にアニメを楽しんで観た、そんなカンジ。
 コーフン冷めやらぬまま、イマイチいい感想が書けてないけど、満点を突き抜けるほどのオモシロさだった。
 ただ、あくまで、ボクの感想だから。真逆の感想も、多分にあるとは思ってるよ^^;


●監督:湯浅政明 ●脚本:上田誠ヨーロッパ企画) ●原作:森見登美彦(小説『夜は短し歩けよ乙女』/角川文庫刊)