黄金の七人(7 Uomini D'Oro)
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(1965イタリア)
初めて見たときの感想は、リズミカルなスキャットを多用したアルマンド・トラヴァヨーリの音楽が、むちゃくちゃカッコいい、ということでした。シャバダバシャバダバァ〜っていうヤツですね。
ストーリーは、頭脳明晰な教授(フィリップ・ルロワさん)と彼の愛人ジョルジア(ロッサナ・ポデスタさん)が、国籍の異なる5人の大泥棒を指揮して、ジュネーヴのスイス銀行から金塊を盗み出す、というお話です。その大掛かりで緻密な金塊強奪作戦を、スキャットのリズムに乗せて冒頭から淡々と見せる手法は、なかなかスタイリッシュです。しかし、待機しているホテルでセクシーな衣装を、なんの脈絡もなく着替えてみせるジョルジア、これが曲者です。“ルパン三世”の峰富士子のモデルではないか、とも言われています。ジョルジアを中心に、7人の間に仲間割れが起こり、金塊の行方は二転三転し、最後は…いやぁ、呆れました。ま、気になる方は、実際に映画でお確かめください。
ロッサナ・ポデスタさん、ホテルでくつろぎながら、なんで“お色直し”してんでしょうか? しかも、網タイツみたいなボディ・スーツとか、意味不明です。部屋には教授しかいないんですよ? あ、いや、部屋を訪問した男も挑発してましたか。
前半のスタイリッシュでカッコいい強奪シーンと、後半の仲間割れのドタバタ感のギャップ、それをあっけらかんと平然と1本の映画でやってのけるあたりは、おおらかで陽気なイタリア人の気質の表れなんでしょうか? そのへんはよく分かりません。しかし、笑わせどころの“こてこて感”には、ちょっと引いてしまうところがあります。ま、そのへんは、時代的なモノもあるかもしれませんが…。