一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

モスラ2 海底の大決戦

私的評価★★★★★★★☆☆☆

モスラ2 海底の大決戦 [DVD]

 (1997日本)

 石垣島の周辺海域で、異臭を放つヒトデのような海洋生物が大量発生し、毒液を吹きかけられた漁師が被害に遭いました。石垣島で起こり始めた異変に気づいたエリアス族のモル(小林恵さん)とロラ(山口紗弥加さん)は、インファント島から急遽石垣島へ旅立ちます。石垣島では、小学生の汐里(満島ひかりさん)が、浜辺でブーゲンビリアの花をつんでいるとき、毛玉のような生物・ゴーゴと出会い、友だちになっていました。モルとロラに出会った汐里は、彼女たちを通じて、ゴーゴが伝説の文明・ニライカナイの秘宝のありかを知る生物であること、そして、同じニライカナイ文明が生んだ負の遺産・怪獣ダガーラが復活したことを知ります。そして、ダガーラを倒すために、ニライカナイの秘宝が必要なことを知った汐里は、イタズラ好きのクラスメイトの洋二と航平の助けを借りて、石垣島沖に浮上したニライカナイのピラミッドに向かいました。同じころ、人間嫌いで、人間に代わって地球を支配しようと企むモルとロラの姉のベルベラ(羽野晶紀さん)が、ゴーゴを捕まえて一攫千金を狙う青年ふたりを利用して、汐里たちのあとを追ってピラミッドに向かっていました。汐里たちがピラミッドに到着したころ、海上に姿を現したダガーラの襲撃を受けて、石垣島が破壊され、モルとロラは、インファント島からモスラを呼び出しますが…。


 前作「モスラ」で北海道、本作で一気に沖縄、ちなみに次の第3作は富士樹海と、日本の両端とほぼ真ん中を舞台に平成モスラ3部作は展開します。

 前作の『自然破壊への警告』みたいなテーマに比べて、本作は軽めの冒険ファンタジーであり、子どもたち3人がストーリーの中心にいるので、気楽に楽しめると思います。子どもたちの冒険は、さながらインディ・ジョーンズグーニーズか、といった感じで、ハラハラ・ドキドキ・わくわくの連続。でも、基本的にジュブナイルなので、心ある登場人物に、極悪人はいないというところが、ハッピーですね。家族で安心して楽しめます。

 特撮は、ちょっとモノ足りないかな…水中戦が苦手なモスラが、水中戦闘モードに変態するんですが、モスラの特撮の白眉は、モスラの生物感をいかにそれらしく操演してみせるか、と思っているので、水中戦闘モードの硬質なサイボーグじみた質感は、CG描写の多用とともに、ちょっと生き物らしくないよな、とシラケました。ま、海上戦はいいんですけどね。

 ヒロインの満島ひかりさんが、FOLDERのメンバーであったことはまったく知りませんでした。おまけに、当時この映画をレンタルで見ているはずなのに、エンディングの主題歌がFOLDERであったこともまったく意識の外でした。かくもボクの中では、FOLDERという沖縄出身の子どもたちのグループが、まったく視野に入っていなかったワケです。なのですが、昨年テレビシリーズ『ウルトラマンマックス』で、アンドロイド・エリーの役で登場した満島ひかりさんのことは、たいへん気になっていたので、本作を見直して、いろんな意味で驚きました。何気にオーディオ・コメンタリーまで収録されてるし…それにしても、大きくなったな^^;)

●監督:三好邦夫 ●特撮:川北紘一