一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

モスラ

私的評価★★★★★★★★☆☆

モスラ [DVD]

 (1996日本)

 北海道紋別のパルプ材伐採現場で、巨大な化石が発見されました。現場責任者の後藤裕一(梨本謙次郎さん)は、化石の真ん中に付いていたメダルのようなものを剥がし、東京にいる娘の若葉(藤沢麻弥さん)にプレゼントしますが、若葉は魔女ベルベラ(羽野晶紀さん)にメダルを奪われた上に魔法をかけられてしまい、おかしくなってしまいます。実は、裕一が剥がしたメダルは、6000万年前に地球に襲来した怪獣デスギドラを封印したお守りで、ベルベラはメダルを使ってデスギドラを意のままに操ろうと企んでいたのです。かつてデスギドラを封印したインファント島の妖精たちの子孫であるモル(小林恵さん)とロラ(山口沙弥加さん)は、フェアリーという蛾の精に乗り、メダルの行方を追って若葉の家に到着しますが、激しい戦いの末ベルベラに敗れてしまい、フェアリーも深手を負ってしまいます。モルとロラは紋別に向かったベルベラを追跡するため、若葉と母の真紀子(高橋ひとみさん)、兄の大樹(二見一樹さん)に助けられて、飛行機で北海道に向かい、紋別にたどりつきますが、一足遅く、ベルベラは化石をダイナマイトで破壊し、デスギドラの復活を果たしてしまいました。復活してしまったデスギドラを再び封印するため、モルはインファント島からモスラを呼ぶことを決意しますが、モスラは卵を産んだばかりで、寿命が近づいていたのです…。


 う〜ん、ボクらの味方、正義の怪獣モスラ、ですね。大樹と若葉という2人の少年少女を中心に据えたジュブナイル。単純な勧善懲悪と親子愛がストーリーの骨子にあると、気楽に楽しめるというところはあります。が、しかし。自然を破壊することでしか、生きるためのエネルギーを手に入れられないという、“原罪”を負ってしまったボクら人類に、鏡のようにその姿を具現化して見せるデスギドラの植物エネルギー吸収による大規模かつ徹底的な自然破壊行為。完膚なきまでに死滅した紋別の大地に、“大樹”と“若葉”が風にそよぐ、大らかな自然は戻ってくるのでしょうか? てな感じのテーマは、意外と重いのです。ある程度高学年の子どもたちなら、この映画を見て、考えるところがあるはずです。

 ま、破壊しつくして去っていくゴジラに比べると、守るために戦うモスラの存在は、観終わったあとに前向きな気持ちを残してくれるので、好ましいですね。平成の3部作が3ヶ月連続で発売されますが、どれも好きな映画です。基本的にジュブナイルを卒業できていないのかも知れません^_^;)

●監督:米田興弘 ●特撮:川北紘一