一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

OVER DRIVE

私的評価★★★★★★★☆☆☆

OVER DRIVE  Blu-ray豪華版


 (2018日本)

「守りたいんだろ、約束。すぐ直してやるから」
「アニキが直したら、オレは乗るんだよ。昔からそう決まってんの」

 国内最高のラリー選手権SCRSを戦うスピカレーシングファクトリー。そこに所属する檜山兄弟は、兄の篤洋(東出昌大さん)が信望も厚い生真面目なメカニック、弟の直純(新田真剣佑さん)が天才肌だが時に無鉄砲なレーサーという対照的な二人。幼いころは仲の良い兄弟だった二人は、思春期に起きたある事件を機に、今はろくに口も利かない険悪な関係となっていた。そんな中、直純の新たなエージェントとしてラリーのことを何も知らないひかる(森川葵さん)がやってきて・・・。


 ストーリーは、ガチで古臭い、熱い男同士のプライドとプライドがぶつかり合う、王道的なレース物。ある意味、安心して見られるかな?
 ただ、レーサー同士のライバルが競うのではなく、同じチームに在籍するメカニックの兄とレーサーの弟とのぶつかり合いがメインディッシュで、ライバルチームのドライバーとのぶつかり合いは全くと言っていいほど描かれません。
 思春期に起きたある事件を機に険悪になった二人の葛藤は、まぁ丁寧に描かれてたのかな?とか思いつつ、何かその他の登場人物、特にライバルチームのレーサーとか、やる気のないメカニックの後輩とか、ヒロインのエージェントですら、なんか、薄っぺらい描かれ方じゃない?みたいにも思いつつ。
 ラストの展開は、無理やり過ぎるだろーが!とツッコミ入れたくなるのに、何かうまいこと演出で感動的なエピソードにされてもーた、みたいな。そら、冒頭のセリフ、真顔でかまされたら、グッと来るがなwww

 とりあえず、圧巻は、CGやらVFXやらを駆使したラリーのレースシーンの圧倒的迫力。
 首都高速の走行シーンなんか、リッジレーサー思い出しましたw
 ただ、うん、その狭いコーナーそのスピードで行く?みたいな、リアルなのか、やりすぎなのか分かんない場面も多々あったように思いますし、「SS(スペシャルステージ)で1台ずつタイムを競う」というラリー独特のレースの性質上、GTカー選手権のように直接バトルして抜きつ抜かれつというせめぎ合いがないのが、どうも見慣れなくて、ちょっと悶々としてる自分がいます。
 でも、何せTOYOTA全面協力とか、電通東宝がカネをかけて製作したんでしょうから、まぁ、車好きというか自ら車を意のままにドライブするのが好きという方々には、凄くたまらん映像の数々なんでしょうね。ボクの感覚がひねくれてるのかもしれません。


※レース映画なら、こっちの方が好きかな。vgaia.hatenadiary.org



●監督:羽住英一郎 ●脚本:桑村さや香