アヒルと鴨のコインロッカー
私的評価★★★★★★★★★☆
(2007日本)
人気作家・伊坂幸太郎の同名作を「チーム・バチスタの栄光」の中村義洋監督が映画化した青春ミステリー。仙台に越してきた大学生が、奇妙な隣人の計画に巻き込まれてゆく。
大学入学のため仙台へと引っ越してきた青年・椎名(濱田岳さん)。アパートで荷ほどきしていた彼は、隣の部屋に住む河崎(瑛太さん)という男から声をかけられる。彼は椎名が口ずさんでいたボブ・ディランの歌に興味を持ったらしい。河崎は、同じアパートの住人であるブータンの留学生ドルジが自分の元恋人・琴美(関めぐみさん)とつきあっているという打ち明け話を始め、ドルジに辞書をプレゼントするため、一緒に書店を襲撃しないかと椎名を強引に誘いだすのだが……。
(WOWOWの番組内容から引用)
あれ? 書いてなかったん?
DVD買った2008年て、そこそこレビュー書いてたんだけどな。書き漏らしてたか。
伊坂幸太郎さんの本は一冊も読んではいないのですが、なんかこう、やりきれない切なさを感じる映画ですね。
伊坂さんは、東北大学卒業後そのまま仙台市に住まわれ、原作小説も本作も仙台が舞台の映画です。
椎名の同級生で、車好きの自称〝生まれついての走り屋〟というチョイ役で、岡田将生さんが出演されてます。
仙台に引っ越してきた大学生・椎名の身の周りに起こる不思議なできごとの数々を、椎名の目線で追うストーリー展開。
椎名がディランの〝風に吹かれて〟を口ずさんでいると、隣の部屋に住む河崎が、いきなり後ろから話しかける。
隣の隣の部屋に住む、日本語の不自由なブータン人留学生の話。
ブータン人のために本屋を襲撃して、広辞苑を持ち帰るのを手伝えと誘われる。
本屋襲撃で、広辞苑と間違えて広辞林を持ち帰る。
河崎『ペットショップ店長の麗子(大塚寧々さん)とは話すな。彼女の言うことは信用するな。』
麗子『河崎の言うことは信用するな。』
買ったはずの教科書が部屋から消える。
河崎が語る、琴美とブータン人留学生の思い出話。
麗子が語る、河崎と琴美とブータン人の思い出話。
何がおかしいのか分からないまま、椎名は河崎の行動を次第に不審に感じ……。
物語は後半から一気に急転回し、驚くべき事実が判明する。
構成の妙で、ネタばれを回避しながら、見事に映画化に成功している。
悲しすぎて、胸が張り裂けそう。
車を運転しながら慟哭する表情が痛々しすぎる。
仙台駅で椎名と河崎の別れ。
神様に見て見ぬふりをしてもらうため、神様を閉じ込める。
椎名『じゃあ、また』
河崎『またって、いつだよ』
切ない終わり。泣けて仕方ない。
●監督・脚本:中村義洋 ●脚本:鈴木謙一 ●原作:伊坂幸太郎(小説『アヒルと鴨のコインロッカー』/東京創元社・創元社文庫刊)