一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

フー・アム・アイ?

私的評価★★★★★★★☆☆☆

フー・アム・アイ?【DTS版】 [DVD]

 (1999香港)

 ジャッキー・チェンさんの映画は食わず嫌いをしています。“酔拳”で日本のクンフー映画ファンに笑撃を与えたのが1978年、以後数々のヒット作で根強いファンを獲得していったワケですが、どうもコテコテの笑いに飽きてしまった(というほど彼の作品を見ていないのですが…)、そんな感覚にとらわれて、しばらく見ていなかったのです。本作を見てみようと思ったのも、実はDTS収録のソフトだったからで、“アルマゲドン”のDTS版で味をしめたボクは、とりあえず、迫力ある音声のソフトが欲しかっただけだったのです。しかし、これを買った当時、DTS収録のソフトはバカ高かった*1のでした。


 全く国籍の異なる特殊工作員たちに混じってジャッキー(ジャッキー・チェンさん)が、アフリカのジャングルで任務を終えたあと、消息を絶ちました。そして、意識を取り戻した彼を取り囲んだのは現地の村人たち。彼らは名前を尋ねますが、ジャッキーには自分が誰だか分かりません。そう、記憶喪失になっていたのです。“Who am I?(フー・アム・アイ)”、オレは誰なんだ?とジャッキーは尋ねますが、言葉の通じない村人たちは、それがジャッキーの名前だと勘違いし、フーアムアイを部族の一員に受入れます。しばらくして傷の癒えたジャッキーは、失った自分を探すため文明社会に戻ろうと、村を旅立ちました。そして、ラリー途中で事故にあって助けを求めていたユキ(山本未來さん)に出会い、怪我をしていた彼の兄を驚異的な方法で治療すると、ラリーカーを駆って一気にゴールイン、そのまま病院に直行、そこで待ち受けていたフランスの新聞記者クリスティーン(ミシェル・フェレさん)に会います。特殊工作員たちをヘリコプターの墜落事故に見せかけて全滅に追い込んでいたCIAのモーガン(ロン・スメルザックさん)は、ジャッキーの生存を新聞で知ると、彼に言葉巧みに近づき、彼を信用させ、彼が自分のことを覚えていないことを確認、そして部下に彼を抹殺するよう命令しました。クリスティーンやユキの助けを借りて正体の知れない暗殺者たちから逃れたジャッキーは、クリスティーンとともに黒幕がいるオランダのロッテルダムに渡り、そこでついに真相を知ることとなるのです。


 アクションが目に付くジャッキー・チェンさんの映画ですが、本作はストーリーもおもしろいです。真実が分からず、誰も信用できなくなって単身敵地に飛び込むくだりは、なかなか説得力がある構成だと思いました。

 もちろん、アクションもすごいのです。毎度のクンフーについては言うまでもないですが、まずラリーカーを駆ってのアフリカのオフロード疾走で迫力ある映像を堪能します。そしてカーアクションはもう一度、ランサー・エヴォリューションで市街地を縦横無尽という言葉がふさわしいほどに駆けずり回るカーチェイスは、何度見てもワクワクさせられます。そして最後は、ロッテルダムのビルで、斜めになった外壁を命綱なしで滑り降りる、まさしく命がけのスタントに思わず手に汗握ります。

 もしかして、ジャッキーの映画、ほかにもおもしろいのあるのか? でも、ハリウッド進出して出た作品は、いまいちのような気も…いや、これも食わず嫌いか?

●監督:Jackie Chan 成龍 ジャッキー・チェン/陳木勝 ベニー・チャン

*1:定価7,140円って、2枚分と違うの?