一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

我が人生最悪の時

私的評価★★★★★★★★☆☆

我が人生最悪の時 ― 私立探偵 濱マイク シリーズ 第一弾 [DVD]

 (1994日本)

俺の名前は濱マイク、本名だ。俺は俺の生まれ育ったこの街、横浜・黄金町で私立探偵をやっている。

 2005年2月18日、横浜・黄金町にある映画館“横浜日劇”が閉館しました。

 その横浜日劇の2階に事務所を構える私立探偵・濱マイク永瀬正敏さん)の活躍する、シリーズ第1作*1です。名前の濱マイクは、アメリカのハードボイルド作家ミッキー・スピレインの描くニューヨークの探偵マイク・ハマーが由来と思われます。


 マイクは、雀荘で知り合った台湾人の楊海平の依頼で、彼の兄を探すことになりました。ところが、楊の正体は、組織を裏切った兄を殺すために日本に送られてきた台湾マフィアの刺客で、捜索を進めていくうちに、マイクは自分たちをニュージャップと名乗る神野(佐野史郎さん)が率いるアジア系外国人の組織“黒狗会”と、台湾マフィアの抗争に巻き込まれてしまいます。


 モノクロなのに驚かされましたが、街並みなんかも昭和30年代って感じだし、ドラマの雰囲気ともマッチしていて、いい感じです。ま、実はカラーだと生々しくて目を背けたくなるようなシーンが多いのですけどね…。軽快なホーンの利いた、めいなCo.のテーマ曲がまたカッコいい。宍戸錠さんが“エースのジョー”役で出演しているあたりは、日活アクション映画へのオマージュでしょうか? とにかく、雰囲気だけでも十分満足できる映画です。

 ストーリーは、けっこうハードボイルドで、シビアです。たぶん、以降の映画2作、そしてテレビシリーズ12作のどれよりもハードですが、一番マイクがカッコいい作品だと思います。モノクロですが、実はパートカラーで、1ヶ所だけ、楊海平の死ぬ場面で赤を効果的に使っていて、ハッとさせられます。

 ソフトは1998年に1度ジュエルケースサイズで発売され、2002年、テレビシリーズのDVD化に伴い、トールケースサイズで再発売されました。しかし、仕様的には変更がなく、レターボックスのシネスコで画質的にもLDと大差ないように思われます。テレビシリーズには、スクィーズのビスタ*2もあったので、残念です。

●監督・原作:林海象

*1:ボクが買ったのはコンプリートBOXの方です。実はLDの方を先に買って持ってます。

*2:全12話を異なる監督が撮るという企画で、仕様も各監督バラバラ、4:3スタンダードあり、レターボックスのビスタありでした。

私立探偵 濱マイク (TVシリーズ) DVD-BOX

私立探偵 濱マイク (TVシリーズ) DVD-BOX