一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

バースデイ・ガール(Birthday Girl)

私的評価★★★★★☆☆☆☆☆

バースデイ・ガール [DVD]

 (2002アメリカ)

 イギリスの郊外の町に住む勤続10年の中堅銀行員ジョン(ベン・チャップリンさん)が、花嫁探しの出会い系サイトで、ロシア人女性をオーダーしました。やがて、空港に降り立ったのはナディア(ニコール・キッドマンさん)というロシア美女。ドキドキしながら60キロ離れたジョンの家までドライブする2人でしたが、どうも車中で話がかみ合いません。実は、サイトの保証にもかかわらず、ナディアはさっぱり英語が喋れなかったのです。実直なジョンは、ナディアとの交際を諦めますが、彼女にロシアへ戻るように告げると、ナディアは強引にジョンをベッドに押し倒し…。話の通じない2人の微妙な関係が続く中、ある日、彼女が片言の英語で『今日は私の誕生日』とジョンに告げます。2人だけのパーティを始めた夜、突然現れた彼女の従兄弟と名乗る2人の男の訪問で、ジョンの人生が大きく動き出してしまいました…。


 宣伝文句に踊らされて、サスペンス映画だと思って買ったのですが、少しいびつなロマンスでした。う〜ん、ヘン。何が変なんだろう…。重い進行の割りに、人物描写が軽いのかなぁ? 全般に、『微妙に薄い』という表現を使いたくなるような雰囲気があります。ジョンが銀行員としての生活を嫌っていたかどうかなんて、ほとんどよく分からなかったし、ナディアと従兄弟たちの関係もよく分からなかったし、バイオレントなようで激しくケガをするワケでもないし、とんでもない事件が起こったようで、サスペンス的期待は大いに裏切られるし、やっぱり、変格モノのロマンスとしか言いようがない、ヘンなお話です。

 ま、そういうエンディングで来たかぁ、と、ある意味期待を裏切ることなく終わってしまうけれど、幸せが待っているのか、地獄のような苦しみが待っているのか、そんな要らんことまで考えてしまうのは、歳をとって、純粋にロマンスが楽しめなくなったせいでしょうかねぇ? 何もかも失って、肚を括ったら、ボクでもそうするかなぁ…するかもなぁ…そーゆー意味では、こういうエンディングは有りかぁ…。などと思いつつも、基本的に犯罪を犯して償わずにハッピーエンドを装うストーリーには、手放しで喜べないボク自身の傾向がありますんで、ほかの方は『これでイイじゃないの』ってにんまりして終わりなんかもね。

 変わったドラマを見せていただいたことには感謝しますが、実はオークションに出して明日落札者様に出荷する商品なんです。ふふん、先様に可愛がってもらうんだよ、なんてな。
 
●監督:Jez Butterworth ジェズ・バターワース