一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

不死蝶

私的評価★★★★★★★☆☆☆

金田一耕助TVシリーズ 不死蝶 [DVD]

 (1978日本)

 信州の射水で対立する矢部と玉造の旧家の間で、許されざる愛を密かに育んでいた矢部慎一郎と玉造朋子であったが、ふたりの仲が矢部の当主・杢衛(小沢栄太郎さん)に知れると、激怒した杢衛は、慎一郎の弟・英二を差し向け、朋子を鍾乳洞に追い詰めていった。やがて英二は鍾乳洞の中で変死体となって発見され、朋子は底なしの洞の果てに消えてしまった。それから23年、とあるブラジルの富豪の養女という年配の日本人女性が、娘を伴って射水の町を訪れた。ベールで顔を隠した姿に、朋子が戻って来たと色めきたつ杢衛は、金田一耕助に女性の身元調査を依頼する。ところがその矢先、まさに英二の23回忌の夜、再び鍾乳洞内で、殺人事件が起こってしまったのだった…。


 テレビドラマ「横溝正史シリーズII」の第4弾(全3話)です。

 DVDパッケージのあらすじに、「地方の旧家という設定の多い中、本作はブラジルまで事件の謎が及び、アメリカ帰りの経歴を持つ名探偵・金田一耕助がその解明に挑む。」というそそり文句があって、みごとはめられてしまった私です。別に舞台が、チラッとでもブラジルに移るワケでもなく、アメリカ帰りの探偵も、まったく意味ありませんでした。そもそもブラジルに事件の謎は及びましたっけ? 過大広告でしょ? これ、JAROに言ってもイイでしょうか(笑)。

 う〜む。なんか、あんまり印象に残らない作品なんですよねぇ。いや、何回も見直してるんですよ。なんですけど、なんかイマイチ頭の中にインパクトのある事件なり映像なり、音楽なり…残らないんですよ。たしかに事件が地味ですわねぇ。いや、だからリアリティはあるんですけど。なんかねぇ。ま、犯人は意外でしたし、ある意味ミステリーとしてはよく出来ているのでしょうが、中盤の展開がだらけて冗長な印象も感じましたし。微妙だなぁ…。

 まぁ、そんな中でもラッキーと思ったのは、当時の若手人気女優の栗田ひろみさんが出演なさっていたことですかねぇ。かわいくて、演技がうまくて、ステキな女優さんでしたねぇ。

●監督:森一生 ●原作:横溝正史(小説「不死蝶」)