一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ミスター・ルーキー

私的評価★★★★★★★☆☆☆

ミスター・ルーキー [DVD]

 (2002日本)

 阪神タイガースに突如現れた謎の覆面ストッパー、ミスター・ルーキーは、なぜか地元甲子園でしか投げません。実は、彼は昼間は普通のサラリーマン大原幸嗣だったからなのです。


 2002年開幕からの実際のタイガースの快進撃と同時期に公開され、阪神ファンのみならず日本中のプロ野球ファンの熱い声援で大ヒットした映画です。

 出演者が豪華です。ミスター・ルーキーこと大原幸嗣に長嶋一茂さん(虚塵OB)、その妻・大原優子に鶴田真由さん、阪神・瀬川監督に橋爪功さん、阪神・平松コーチに中原丈雄さん、トラキチのビールメーカー社員で大原の上司・古賀和男に竹中直人さん、宣伝担当の憎まれ役・江川常務に宅麻伸さん、江川常務にべったりの小嶋典子に山本未来さん、ビールメーカーの成田社長に神山繁さん、元阪神で現東京ガリバーズの4番打者・武藤秀吾に駒田徳広さん(虚塵OB)、大原の個人的なトレーナー・楊に國村隼さん、スポーツキャスター・椎橋純子にさとう珠緒さん、椎橋の取材に同行するTVカメラマン・矢部に吹越満さん、阪神一塁手・多田に嶋尾康史さん(阪神OB)、阪神ブルペンキャッチャーに矢作公一さん(日ハムOB)。

 本人役(?)の選手なども豪華です。ミスター・バースにランディ・バースさん(阪神OB)、阪神選手に八木裕さん(阪神OB)、広澤克実さん(阪神OB)、藪恵壷さん(阪神OB・現アスレチックス)、桧山進次郎さん(阪神)、矢野輝弘さん(阪神)、ABC朝日放送プロ野球解説陣に吉田義男さん(阪神OB)、田淵幸一さん(阪神OB)、中西清起さん(阪神OB)、熱狂的な阪神ファン道上洋三さん(ABCアナウンサー)、観客の阪神ファン仲田幸司さん(阪神OB)、福間納さん(阪神OB)、太田房江さん(大阪府知事)。

 でも、なぜに主役のふたりが虚塵OBの長嶋一茂さんと駒田徳広さんなの? かなり不満…でも、阪神が優勝するからいいのだ。そんな映画です。

 長嶋さん、鶴田さんの演技がしっかりしていて、大原夫婦の会話、とくに内緒にしていたプロ野球とのニ足のわらじがバレたときの夫婦喧嘩なんか、かなり生々しくて感心しました。おかげで優勝を決めた試合のあとに、夫婦愛を確かめるシーンが、グッときました。また、最後のバッター、永遠のライバル・武藤に対して、覆面を脱ぎ捨て、大原幸嗣として立ち向かうくだりは、いかにもスポ根的展開ですが、素直に感激してしまいました。長嶋さん、早くに俳優に転向して正解だったですね。

 トラキチ社員の竹中直人さん、実はプロ野球興味ないんだそうで、野球そのものもあまり知らないみたいです。

 野球の試合のシーンは、かなりリアルで、解説を流さない球場音声のみの映像は、スタンド観戦の気分にさせてくれます。しかし、最後の打球を処理した外野手が、“レフト”の桧山選手だったのは、何ゆえでしょう? 武藤は左バッターだから、引っ張って“ライト”の桧山が処理すれば自然だった気がするのですが…。ところで、バースの打球は、本当にスタンドインしたのでしょうか? 気になります…^^;)

 2002年に発売されたDVDは2種類、スタンダード版と “阪神タイガース優勝!?祈念バージョン*1”でしたが、翌2003年に阪神が優勝すると、“2003 猛虎ファン男泣き胴上げバージョン*2”が発売されました。

●監督:井坂聡

*1:結局この年は6月に失速して優勝を逃しました…。

*2:1年後に新しいパッケージが出て、阪神ファンは買ったのでしょうかねぇ?