タッチ

私的評価★★★★★★★☆☆☆

　（2005日本）

　明青学園高校に通う浅倉南（長澤まさみさん）と上杉達也（斉藤祥太さん）、上杉和也（斉藤慶太さん）の双子の兄弟たちは、隣同士家族ぐるみで仲のよい幼なじみだった。父同士が野球好きだったことから、３人も幼い頃から野球を始めるが、女子は甲子園に選手として行けないことを知った南は、双子の兄弟に「私を甲子園に連れて行ってよ」と、幼い約束を交わす。高校生になって、南はマネージャーとして、弟の和也はエースとして期待されて、それぞれ野球部に入部するが、兄の達也はボクシング部に入部してしまう。果たして、南との約束の行方は・・・。

　あだち充さんの大ヒット人気漫画を実写映画化。
　原作のストーリーをなぞりながら、微妙に設定が変わってしまってます。
　イチバン違うのは、南ちゃんが新体操部じゃないこと。
　漫画が大ヒットして、テレビアニメ化された当時は、フジテレビの夕方のニュースの一コーナーで、『南ちゃんをさがせ！』みたいなタイトルで、高校の新体操部の人気者を紹介していたほど、南ちゃんと言えば新体操部だったのに・・・いや、別に長澤さんのレオタード姿が見たかったワケではないんですが、南ちゃんも新体操で全国大会優勝を目指すという、それぞれが大きな目標に向かっているところが良かったのに、と思うと残念な設定だなぁと感じたところです。

　原作とイメージが違うとか、そういう比較はしないでおきます。
　まぁ、長い原作を２時間弱の尺に収めているので、けっこう細切れな感は否めませんし、須見工のライバル新田（福士誠治さん）など、主要な登場人物の魅力も十分引き出せていない感じもします。
　それでも、まぁ、原作とは主題も違うのだと思えば、作品としては成り立っているなとは思いました。
　それなりに、３人の微妙な三角関係も読み取れるし、試合のシーンも、ダイジェスト的ではあっても、まずまず盛り上げてくれてるし、いいんじゃないかなぁ。
　あ。南が球場に向かって駆け出すシーンで、ユンナさんの歌うタッチの主題歌が唐突に流れるんですが、けっこう無理やり入れてきた感じがして、違和感がハンパなかったですね。
　あと、本作の主役が南という位置付けだとしたら、長澤さんの魅力の引き出し方、けっこう控えめだと感じました。一応、３人で主役、という位置付けで、ボクは見ましたけど、それでイイんじゃないかな？

　どうでもいいと思いつつ気になって仕方なかったのですが、スタンドで応援するボクシング部の原田（RIKIYAさん）の横にいる矢部ソノコ（若槻千夏さん）って、必然性のない追加キャラですよねぇ。

●監督：犬童一心　●原作：あだち充（コミック「タッチ」／小学館刊）