一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

宇宙大怪獣ギララ

私的評価★★★★★☆☆☆☆☆

宇宙大怪獣ギララ [DVD]

 (1967日本)

 『大巨獣ガッパ』と同じく1967年、松竹唯一の怪獣映画です。ガッパを見たのでついでに再観賞しました。

 日本宇宙開発局が火星探検のために打ち上げた有人ロケットに、謎の胞子が付着。地球に持って帰ると胞子はやがて大怪獣ギララに変化し、あらゆる武器のエネルギーを吸収しながらどんどん巨大化と破壊を続けていくという、怪獣パニック映画です。

 なんだかねぇ…特撮がすごく頑張っているのに、妙に脱力感を感じるのは、ギララの造形のせいかなぁ? 吼える声も脱力系なんだが…。いやいや、そもそも、オープニングでいきなり流れる主題歌が脱力系だ。セリフ入りだよ。
  『見ろ、僕らの地球だ。見ろ、小さく光ってる』
  『ほら、あたしたちの宇宙だ。ほら、どこまでも続く』
  『さぁ、みんなの未来だ』
  『さぁ、この腕に抱こう』
で、そのバックに流れる星座絵の映像は、ほとんどNHK教育TVの少年少女向けドラマのノリ。でも、本篇は決して子ども向けではない、というところがなかなか…今見るからおかしいのかなぁ?

 にしても、あらゆるエネルギーを吸収して巨大化するギララの設定は、かなり危険です。ハリウッド映画なら、そういった生物は、おそらく脊椎動物的な造形には発展させず、原始生物的な形態のまま登場させて、未知なる物への恐怖感を煽るようにストーリーを組み立てることでしょう。まぁ、昭和40年代初頭の怪獣ブームに乗っかった映画ですから、しかたないんですけどね。それにしても、やけに強い設定で、本来的には人類にギララを退治する手立ては見つからないようなモンなのですが、なんでもありのSF的解決で、結局やっつけちゃうんです。やれやれ…。

 映画やテレビドラマに外国人の俳優さん女優さんが登場するのは、今では当たり前ですが、当時はなかなか手配するのがたいへんだったと思うんですよね。お金がないと、日本人の俳優さんが金髪のズラを被ったりして、おかしな外国人を演ったりして、けっこうキツいものを見せられることになるのですが、本作は宇宙船のクルーや、宇宙開発局のスタッフなどに外国人の方が数名キャストされていて、なかなか手を抜かずにお金をかけてるなと思いました。

●監督:二本松嘉瑞 ●特撮:池田博 ●音楽:いずみたく

《なかなかDVDのみの廉価版が発売されなかったので、復刻版のフィギュア付きを買ってしまいました。》

宇宙大怪獣ギララ<コレクターズ・エディション> [DVD]

宇宙大怪獣ギララ<コレクターズ・エディション> [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • 発売日: 2001/04/21
  • メディア: DVD