夜のピクニック
私的評価★★★★★★★★★☆
(2006日本)
並んで一緒に歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう。
北高で年に一度開催される『歩行祭』は、24時間かけて80kmを歩き続けるというイベントだ。3年生の甲田貴子(多部未華子さん)は、高校最後の歩行祭に、密かにある賭けをしていた。それは同じクラスの西脇融(石田卓也さん)に話しかけること。たったそれだけのことなのに、貴子には今までそうすることができないワケがあったのだ。親友の遊佐美和子(西原亜希さん)や、ニューヨークに転校していった榊杏奈(加藤ローサさん)、クラスメイトたちそれぞれの思いが交錯する中、1000人の生徒たちの行進が続く…。
いやぁ〜、長いピクニックの準備でした(自爆)。
CSでピクニックの準備を見てから半年以上たってしまいましたが、実はその間、何度か見ようとしていたんです。なのに、展開の緩さに、ついつい睡魔に襲われ、気づけば朝に…ということを数度繰り返してしまい、やっと4回目に完歩しきった次第です。
ひたすら歩くだけの「歩行祭」が舞台です。実際のイベントも、おそらく、この映画のようにダラダラと緩い流れ方をしてしまうのでしょう。それが評価を分けそうな気がするのですが、いざ見終わってしまうと、気づけば自分も80kmを完歩してしまったような、奇妙な充実感を覚えていました。そしてその充実感は、はるか昔に過ぎ去った18歳のころの自分のキモチを蘇らせ、切ないような、甘酸っぱいような、寂しいような…でも、じんわりと温かいナミダがほろりとこぼれるような、そんな映画でした。
高校生の3年間て、やっぱりなんか、「キュンとくるな」と、最近とみに思うようになりました。歳のせいですね(苦笑)。何もない3年間を送ってしまった私には、こういうイベントを経験できた生徒たちが、とてもうらやましく思えました。