一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

喜劇 愛妻物語

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

f:id:vgaia:20200926082259j:plain
映画『喜劇 愛妻物語』公式サイトより引用

 (2020日本)


結婚10年目。倦怠期。セックスレス
笑えて、呆れて、呆れて、泣ける。愛憎渦巻く夫婦道。

 売れない脚本家の豪太(濱田岳さん)は、大学で知り合ったチカ(水川あさみさん)と結婚して10年目。5歳の娘のアキ(新津ちせさん)がいるが、脚本家としての年収は50万円程度で、もっぱら生活費はチカのパートに頼っている。若い頃は豪太の才能を信じて支えてくれいたチカも、今では豪太の情けなさに呆れ果て、口を開けば罵倒の言葉が飛び出す毎日だ。

 豪太のさしあたっての問題は、チカと三ヶ月セックスしていないこと。夫婦仲はほぼ冷め切っているが、人並みの性欲を失っていない豪太は、日夜タイミングを見計らい、チカのご機嫌を取り、猫なで声を出し、あらゆる手段を使ってセックスに持ち込もうとするのだが、けんもほろろに拒絶され続けている。

 ある日、豪太は旧知のプロデューサーに預けていたホラー映画の脚本の映画化が決まったことを知らされ、さらに別企画のプロットを書くように薦められる。豪太が以前に「四国にいる高速でうどんを打つ女子高生」の存在を知って、映画の企画書を提出していたのだ。脚本化するには四国に取材に行かねばならないが、プロデューサーに取材費を出すそぶりは毛頭ない。取材先を巡るにも運転免許がない豪太は、チカに運転係として同行してくれるよう説き伏せ、なんとか親子3人で四国旅行に行くことになった。

 苦しい家計を取り仕切るチカが手配した旅程は、東京から香川県の高松まで丸一日かけて鈍行列車に乗る強行軍。しかも初日の宿はビジネスホテルのシングルルームで、チカは豪太とアキがチェックインした後に、裏口から潜入して合流するという。しかし疲れが溜まっていた豪太は部屋の風呂場で寝てしまい、締め出されたチカの逆鱗に触れる。これではセックスは遠ざかるばかりだ。

 翌日、「高速でうどんを打つ女子高生」の家を訪れるが、彼女をモデルにした映画とアニメの企画が同時進行しており、翌月にはクランクインの予定だと知らされる。豪太は完全に出遅れており、もはや旅行の目的も失われた。しかしチカは女子高生の両親に、映画化が頓挫したらどうか豪太に企画を任せて欲しいと食い下がる。非常識だとたしなめる豪太にまたもチカの怒りが炸裂した。

 その夜もセックスを拒否された豪太は、チカとアキが寝ている間にひとりで夜の盛り場をほっつき歩く。風俗に行こうにもカネはない。道端で酔いつぶれていた若い女を見つけてちょっかいを出し始めるが、警察に捕まってしまう。度重なる豪太の失態に愛想を尽かしたチカは、豪太にアキの世話を任せて、小豆島に住む大学の同級生・由美(夏帆さん)に会いに行ってしまった。しかし豪太に降りかかる災難はまだ終わっていなかった。果たして豪太はチカと仲直りしてセックスできるのか?いや、そんなことより綱渡りの夫婦関係はついに終わりを迎えてしまうのか?
(映画『喜劇 愛妻物語』公式サイト「STORY」より引用)

kigeki-aisai.jp


 夫婦の間のことは、他人には分からん。てか、実の子でも分からんて、昔、親に言われたわ^^;

 ホンマ、そんなカンジの夫婦の物語……?

 監督・脚本・原作全部やるって、夫婦の会話にあったから、もしかして、足立監督自身のご夫婦の物語なんかな?



 しかし。タイトルに〝喜劇〟ってわざわざ付けてるけど、正直イタすぎて笑えなかったわぁ。

 これで笑える人は、そこそこ平和な人生を送っている人か、イタい親のうんざりするほど繰り返される夫婦ゲンカを乗り越えて、笑い飛ばせる境地になれた人だろうなぁ、って勝手に思ってしまうのね。

 ボクは、幼いころから繰り返し見てきた両親のケンカを思い出して、何ともいたたまれないような、ブルーな気分になってしまいました。


 まぁ、それだけ水川さんの演技がキレてたってっことなんでしょうねぇ。

 怒って、わめいて、嫌味を言って、酒を飲んで、泣き崩れる妻……完全に夫役の濱田さんの演技を食ってたと感じました。


 子どもも、絶妙にめんどくさいwww

 子どもだから、ごはんの前のYoutube止められなかったり、自分で「○○したい」って言っておきながら、すぐ「疲れた、抱っこ」って言ったり、しゃあないことだらけだけどね。



 夫のダメっぷり、エピソード重ねるうちに、そこそこじわじわ来るけど、なんかダメ夫というより、情けないだけなんだよなぁ。

 人の目気にしてカッコ悪いことできない性分とか、若いころ些細なプライドを傷つけられて(勝手に傷ついて)しょっちゅう転職してた我が家の親父と似てるわぁ、なんて。そのプライド、我慢できひんのんな。それ、無かったら、もそっと楽な暮らしできてた気がするけど、人生、それだけじゃないって考える人たちなんだろーかな?


 とは言え、人生、紙一重だからなぁ。

 今、思いどおりに暮らせていても、いつ何時暗転するか、誰にも分らんし、誰にでもそんなことはありえるワケだから、人のこと、とやかく言うのはお門違いだわな。



 最後は、なんやかやで、〝腐れ縁〟ってヤツ?

 たぶん、この夫婦にふさわしい物語の落とし方。

 嫌味やあざとさが無くて、好きだな。





 そう言えば、香川県を動き回ってたのに、まったくロケ地をフィーチャーする気のない画面で、なんか苦笑したわ。

 むしろ、地元の人にしか分からないような、ローカルな場所が多かったような^^;

 映画館に、香川県がこの映画のロケ地マップを置いてあったんだけど、それを見ても、行きたいなぁ~ってそそられる要素があんまり無くて、なんかピンと来なかったのね。それで良かったのかな?


※毎食うどんでもいいからって言ってた割に、うどんは1食しか食べてなかったので、こちらをどうぞwww
vgaia.hatenadiary.org




●監督・脚本・原作:足立 紳(小説『喜劇 愛妻物語』/幻冬舎文庫刊)