一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

探偵物語

私的評価★★★★★★★★☆☆

探偵物語 [Blu-ray]

 (1983日本)

「あなたって頭にくる人ね。」
ある日突然オジサン探偵登場。

 新井直美(薬師丸ひろ子さん)は、1週間後アメリカに旅立つ女子大生。そして、辻山(松田優作さん)は、彼女のボディガードを依頼された探偵。そんな2人がある殺人事件を探偵することから急接近?! 果たして犯人は? そして辻山と直美は…。

 松田優作と1年半ぶりにスクリーン復帰した薬師丸ひろ子の2大スター共演でおくる、大ヒット娯楽作品。2人の空港での長いキスシーンは当時話題に。原作は、赤川次郎薬師丸ひろ子のために書き下ろしたオリジナルストーリー。

Blu-rayパッケージより引用)


 80年代は、アイドル百花繚乱で、楽しい時代だったなぁ…。
 薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、渡辺典子さんたちが主演の角川映画も、当時は好きだったなぁ。
 なんて、ノスタルジーに浸りながら観てしまいました。

 懐かしい、というか、37年も前の作品なんですねぇ。
 観返してみたら、案外覚えてないことが多くて、正直なところ、犯人が誰で、どうやって実行したか、そしてラストの空港のシーン、そんなところしか記憶に無かったですね。
 薬師丸ひろ子さんが、戸惑いながらも大人への一歩を踏み出す主人公の女子大生・直美を演じています。
 原作の赤川次郎さんが、彼女のために書き下ろしたオリジナルストーリーと言うことで、当時大学生になったばかりの薬師丸さんにとっても、ピッタリはまる役柄だった思います。

 同時代に地方の大学生だったボクは、東京の事情には疎くて、この映画で描かれるようなちょっとリッチな学生生活にはさっぱり馴染みが無いんですが、ちょうどこの頃から地方の大学生にも経済的に余裕のある学生が増え始めたのか、昔ながらの賄付きの下宿や〝××荘〟なんていかにも古めかしい名前の木造の古いアパートで暮らす学生たちに混じって、新築のワンルームのマンションを借りている学生がポツポツ現れ始め、大学の構内に乗り入れる学生の車にも、4~5年落ちの中古車の中に、当時〝スペシャリティ・カー〟と呼ばれていたオシャレでスポーティでちょっとお高い車が時折混じるようになり、時代が変わり始めているのを日々肌で感じていました。
 あだしごとですが、車にさっぱり興味がなかったボクでも、先輩たちが「(学内の)南北道路でセリカ2000GTを見た」とか「新型プレリュードXXを見た」とか、興奮気味に語り合っているのを耳にし、それらが少年時代にあこがれたイタリアのスーパーカーフェラーリとかランボルギーニとか)でしか見たことなかった〝リトラクタブル・ヘッドランプ〟を搭載していることを知って、日本車も高級なスポーツカーが増えたんだな~なんて、ぼんやり思ってたモンです。なお、自動車メーカーに勤めるようになったサークルの同級生に言わせれば、当時スポーツカーと呼べる日本車は「1978年に発売されたマツダのサバンナRX7だけ」ということになるらしいです。

 ホント、どーでもイイ話でしたね。
 とりあえず、久々に観ても、薬師丸ひろ子さんのキスシーンは、今だ衝撃的でした。
 そして、主題歌の〝探偵物語〟のイントロが流れ始めると、さまざまな思いが一気に胸の中に込み上げてきて、激しく涙腺を揺さぶります。時代を越えた名曲です。


●監督:根岸吉太郎 ●脚本:鎌田敏夫 ●音楽:加藤和彦 ●原作:赤川次郎(小説『探偵物語』/角川文庫 刊)