一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

霧笛が俺を呼んでいる

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

霧笛が俺を呼んでいる [DVD]

 (1960日本)

「友情なんてものはな、ガキのハシカみてぇなもんだ。一度は罹るがそのうちケロッと消えちまうってヤツさ。」

 オープニングから赤木圭一郎さんの主題歌が流れ、夜霧に煙る外国船をバックにクレジットが現れます。そのクレジットの書体がなかなか味わい深く、イイ感じです。主題歌のメロディは全編を通じて随所に散りばめられていて、雰囲気を盛り上げていきます。

 横浜、海、港町、夜霧、霧笛、親友の自殺の謎を追う外国船の船員(赤木圭一郎さん)と親友の恋人(芦川いづみさん)との淡いロマンス。80分と短い映画ながら、十分堪能しました。

 かっこいい!

 今、こんな作品撮ったら、イヤ味ととられるのかなぁ? ムード先行し過ぎ、という意見もあるかもしれないけど、逆に現代的な作品は、ムードなさ過ぎという感じもするので、どうしても昔の邦画にはあこがれてしまいます。

 前にも書きましたが、60年代くらいの日本映画って、雰囲気がイイですよね。街の風景とかも妙に子どものころを思い起こさせられて魅かれるし、走っている車なんかも、国産にしろ輸入車にしろ、カッコいいデザインのものばかりだし。もう、自然と頬が緩んでしまいます。

 ところで、芦川いづみさんて、「うなじ」が綺麗な方でした。「うなじ」が綺麗と思った女優さんは初めてです。

 ついでに。吉永小百合さんが親友の妹役で出ています。クレジットには「新人」となってます。幼い顔立ちで、中学生か高校生くらいの年頃と見受けました。ちょっぴり時代を感じちゃいました。

●監督:山崎徳次郎