ミニミニ大作戦(The Italian Job)
私的評価★★★★★★★☆☆☆
(2003アメリカ)
チャーリー・クローカー(マーク・ウォールバーグさん)は、伝説の金庫破りジョン・ブリッジャー(ドナルド・サザーランドさん)ら5人のプロと組み、ヴェニスで金塊を強奪することに成功します。ところが、仲間のひとりスティーブ(エドワート・ノートンさん)が裏切り、ジョンを射殺、ほかのメンバーも車ごと厚い氷の張った湖に沈めると、金塊を奪って逃げてしまいました。それから1年、チャーリーがやっと突き止めたスティーブの行方は、ロス・アンジェルス。チャーリーは昔の仲間を再び集め、金庫を開ける腕前を見込んでジョンのひとり娘であるステラ(シャーリーズ・セロンさん)を説得して、スティーブから金塊を奪い返すことを計画しました。果たしてその首尾は…?
1969年版のリメイクですが、現代劇らしく、プロの仕事はスタイリッシュに周到に行われ、息もつかせぬ緊迫感に満ちています。69年版は、ミニによる逃走劇がメイン・ディッシュでしたが、本作はドラマ部分に重点が置かれているようで、ステラとジョンの親子愛に加え、チャーリーによる復讐劇が小気味よく描かれています。
むしろ、カー・アクションなどは、ドラマの演出を高めるための手段として、破綻なく進められればOKみたいな雰囲気もあり、まぁそれほどの感動もなかったかな、というのが正直なところです(一応69年版へのオマージュとして、下水道の中を走りぬけるシーンは織り込まれていますが…)。ハリウッドのアクション映画で、そこそこの出来ではもはや感動できない、ということなのでしょうか? 目がぜいたくになったモノですね。ま、その分、スタイリッシュに完結する復讐劇に、スカッとすれば満足いくことでしょう。
そんなに特別すごい、という感じはしないんですけど、どこを取ってもそれなりに満足感のある映像・ストーリーで、ちょっとくやしいんですが、不覚にもおもしろかったです。もうハリウッドのアクション映画は満腹だ、なんて思ってたんですけどねぇ…。
●監督:F. Gary Gray F・ゲイリー・グレイ