一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer [DVD]

 (2000日本)

 警視庁捜査一課弐係は、俗に言う迷宮入りの事件を“ケイゾク”捜査する部署です。ある日、15年前に沈没した第七神竜丸の生存者7人のうちのひとりである磯山早苗の娘・章子(大河内奈々子さん)が、事故で亡くなった霧島夫妻の娘・七海(小雪さん)から送られてきた厄神島への招待状を持って訪れました。実は霧島夫妻の死には、生存者たちによる殺人の疑いがあったのですが、証拠不十分のためケイゾク扱いになっていたのです。七海の意図を量りかね、不安がっていた章子の依頼で、真山徹(渡部篤郎さん)と柴田純(中谷美紀さん)のふたりが、ほかの生存者たちとともに島へ渡ることになりました。厄神島はバミューダ海域にたとえられ、船や飛行機が消えたり、島民が突然一斉に消えたりする事件がたびたび起こっていると言われていました。島へ着き晩餐が済むと、七海は招待客に両親を殺したことを認めるよう促しました。しかし、誰も罪を認めようとしないと分かると、七海はカードゲームで一番大きな数字を引いた人間を殺害すると予告し、スペードのキングを引いた男が突然血を吐いて悶絶死してしまったのです。やがて次の殺人が起こり、七海が姿をくらますと、渡ってきた船が消え、窓から見えていた隣の島が消え、ホテルの部屋が消え、次々とモノが消える事件が続発します。そして、第3の殺人が行われたあと、七海の首吊り死体が見つかり、事件は解決したかに見えましたが…。


 テレビでマニアックな人気を博した“ケイゾク”の劇場版ですが、通常テレビシリーズが人気になっての映画化といえども、映画単体としてでも楽しめるような工夫があるのが普通です。ところが、この映画はテレビドラマを見ていない人には分からない登場人物や、エピソードが野放しに詰め込まれています。決して映画から“ケイゾク”を知った人が、この映画を楽しめないとは言い切れないですが、それでも事前にテレビシリーズの内容を予習してから観た方がいいと思います。ま、テレビシリーズがかなりグダグダなサイコ・サスペンスになってしまったので、結局テレビシリーズを見ていたボクも、映画の内容、特に後半部分はよく分からないところなんですけどね(苦笑)。

 前半はテレビシリーズ同様、本格的推理ドラマなんですが、後半、死者が蘇るエピソードになると、何がなんだか意味不明になってしまいます。だいたい、テレビシリーズで死んでたはずの人間が映画の前半で出てきてもう一度死んだり、ワケ分かりません。結局、テレビシリーズでファンになった人のためだけに撮られた映画、という気もします。

 映画の終わりにテレビシリーズ“ケイゾク”のシーズン弐の特報を模した予告が付いてます。しかし、回を重ねれば重ねるほど、真山の宿敵・朝倉の存在がどんどんオカルト的に変化てしまい、たぶん作っている堤監督自身ワケが分からない設定になってしまったため、シリーズとして続ける気力を持てなかったのではないでしょうか? ケイゾクは継続しませんでした。

 ネタバレすれすれ。LIONはNO17も商標登録しているそうです。

●監督:堤幸彦 ●脚本:西荻弓絵 ●音楽:見岳章