一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

私立探偵 濱マイク 4 行定勲監督「サクラサクヒ」

私的評価★★★★★★★★☆☆

私立探偵 濱マイク 4 行定勲監督「サクラサクヒ」 [DVD]

 (2002日本)

 ちょっと入院なんぞを繰り返しまして、1ヶ月余り飛びました。

 季節はめぐって、職場の桜がほころび始めたので、本作をチョイスです。


 丈治(村上淳さん)がゴミを捨てに空き地に行くと、メイホワ(ジェニー・チャンさん)という女の子が不法投棄されたゴミをリヤカーに載せていました。中国語で話しかけられてとまどう丈治でしたが、持ち前のひょうきんさで応答するうち、彼女は日本語で「この木、かわいそう。だから、キレイにします」と。ゴミの捨てられていた場所には、まだ蕾も膨らんでいない一本の桜の木が…。メイホワは丈治の紹介で、マイク(永瀬正敏さん)の事務所を訪れると、一枚の古い写真を取り出しました。写真には満開の桜の下に佇むカップルが写っており、女性の顔は、メイホワに似ているようでした。メイホワは、写真の男、曾根崎義雄(岸部一徳さん)を探し出し、彼に手紙を渡して欲しいと依頼します。曾根崎はすぐに見つかりますが、曾根崎は写真のこともメイホワのことも知らないと言って、手紙を受け取ろうとしませんでした。


 まぁ…切ないお話を、濱マイク的に描くと、こんな感じになるということですかね? 決してハッピーエンドとは言い切れないけれど、メイホワも曾根崎も、丈治もマイクも、「それぞれが今できる精一杯」を紡いでいくと、こんな終わり方が現実的なところなんだろうな、と。

 依頼の内容を全く知らずに、メイホワに対して真っ直ぐ心を傾け、懸命に彼女への愛を示そうとする丈治が、痛いくらい切ないです。春は…なんとなく、狂おしい季節ですね。

●監督:行定勲 ●原作:林海象