一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

探偵事務所5”~5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語~A File「591楽園」

私的評価★★★★★★★☆☆☆

探偵事務所5”~5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語~A File「591楽園」 [DVD]

 (2005日本)

 濱マイクに繋がる林海象作品ということで。

 『川崎にある探偵事務所5は、創立60周年を迎える格式ある探偵事務所である。この探偵事務所をめぐる物語に主人公は存在しない。ここに登場するすべての探偵が主人公である。あえて言うなら、この「探偵事務所5」こそがこの物語の主人公と言えるかもしれない。その探偵たちに名前はない。5を先頭にする三桁の番号をそれぞれが持ち、互いをその番号で認識しあっている。』という宍戸錠さんのナレーションで始まる物語。映画のほかに公式サイトでAnother Storyという映画と同時に起こるそれぞれの探偵の事件が、ネット配信されています。

 新米探偵の591(成宮寛貴さん)は、探偵事務所5の会長の孫である宍戸瞳(貫地谷しほりさん)から、親友が「楽園に行く」というメールを送ってそのまま失踪してしまったことを聞かされ、調査することにしました。彼女の消えた楽園とは…?

 めいなCo.のカッコいいBGMもまんまに、モダン・レトロなアンティーク調度を画面に配し、探偵という職業を粋に描いたシリーズ作品の第1弾。実はストーリとしては前編みたいな感じで、次のB File「522失楽園」と併せてひとつの作品と見たほうが良いようです。

 本作では新米探偵とベテラン探偵の孫の女子高生というフレッシュな取り合わせですが、事件はけっこうサイコ・サスペンスの様相を匂わせており、軽すぎず重すぎず、適度な満足感がありました。ストーリーにはあんまり触れないでおきますけど、探偵がピンチになったときに登場する小道具だとか、仲間の存在なんてのが、大人の話なのに、どこかしら「少年探偵団」ぽくて、少年時代からの探偵小説好きにはたまんないのです。

●監督・原作:林海象