一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

下妻物語

私的評価★★★★★★★★★☆

下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]

 (2004日本)

 茨城県下妻に住むロリータ・ファッションに心酔する女子高生・桃子(深田恭子さん)が、バッタ物のブランド品売買を通じて知り合った原チャリ・レディースのいちご(土屋アンナさん)と関わったことで、さまざまな体験をし、次第に友情に目覚めていく物語、という要約でイイですか?

 ノンストップ! 1秒たりともストレスなく、すっかり楽しんでまった! ありえないほどステレオタイプのキャラクター設定なのに、見ているうちに何にも違和感なく受け入れてしまっている自分がいました。おそろしい映画です。

 深田恭子さんと土屋アンナさん、まるでこの映画は、彼女たちのためにわざわざ書き下ろされたのではないかと思えるほどの、ハマリ具合。彼女たちがビタリとハマッたおかげで、ほかのキャストに多少弱さを感じても、まったく問題なしといった出来です。

 ストーリーが意外と熱い! 心根が腐っていると自分で言ってしまう桃子のキャラだけでは、とてもこんな熱いストーリーにならなかったと思うワケですが、それがいちごとぶつかり合うことで、おそろしいまでの爆発力を発揮してしまったのです。桃子が尼崎出身という設定が、クライマックスでそんな展開を見せるとは…ハチャメチャなのに、納得してしまったのは、ひとえにフカキョンの演技力ゆえ? うまいなぁ…ビックリするよなぁ…ほとほと感心しきり…。それにしても、お寺の鐘の音の、なんと効果的だったこと…笑えました^^;

 桃子がいちごと関わることで、微妙に変わっていく過程が、とてもうまくつながっていて、心地よさを覚えました。こういった部分が妙に目立つと、なんとも青臭い映画になってしまうワケですが、そんなことは微塵も感じさせない、むしろドギツイ色使いといい、胡散臭いほどに奇妙なハイテンションが支配する映画です。見終わったあとの、なんともいえない爽快感が、たまらんかったです!!

 ところで、CMクリエイターでもある中島監督、冒頭でいきなりJUSCOのCMまがいな映像をかましてくれてます。徹底的に遊んでいる感じですネ!

●監督:中島哲也 ●原作:嶽本野ばら(小説「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」)