一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

トリック2 超完全版1

私的評価★★★★★★☆☆☆☆

トリック2/超完全版1 [DVD]

 (2002日本)

 自称美人で天才的なマジシャン・山田奈緒子仲間由紀恵さん)と自称天才物理学者で日本科学技術大学教授の上田次郎阿部寛さん)が、毎年必ず1月11日に泊まった客の誰かが一人死ぬと言う、六つ墓村の旅館の謎を解き明かす。


 渡辺いっけいさん演じる番頭さんの、何でも「御(お・おん・ご)」をつけてしまうヘンテコな丁寧語に引きずられながら、「お政治がお仕事」か「お世辞がお仕事」か、「極上の言葉」か「ご苦情の言葉」か、「後日談が残っている」か「ご実弾が残っている」か、あたかもダジャレ合戦かというようなバカバカしい展開で、シーズン2のオープニング・エピソードは、タイトルからして「六つ墓村」---「あの作品のパロディですわねぇ。番頭さんに言わせると、「おむつの墓」になってしまうワケで…あぁ…なんてこったひ。

 シーズン1での「奈緒子の暗い過去にまつわるエピソード」が解決を見たあとの続編として始まったワケですが、シーズン1の暗部はすっかり憑物が落ちたかのように消え、ギャグ満載の惰性的シリーズの始まりでもあったように思えるほど、いろんな意味で変わってしまったシーズン2です。例えば、超常現象だとか、ホンモノの霊能力だとかに象徴される、不思議な現象のおどろおどろしさみたいな、シリアスな部分がかなり薄まり、不思議な現象の謎解きは、もぐら叩きのように現象が発生すればその都度解決されていくというような、軽いノリに変わってしまったように感じられます。あ、その解決スピードUPのために、上田が突然賢くなってしまってますね。シーズン1では、ことごとく的外れな推理ばかり展開していたのに、シーズン2からは、半分くらいの超常現象を「ブッツリと」解決するようになっています。

 それにしても。この頃はまだ楽しかったんですよ、トリック見るの。ま、もう劇場版2で、このシリーズは終わったことでしょうから、あとは昔を懐かしみながら、DVDを見るだけですが…w と、いいつつ。あまりに何度も見返してるので、もはや感覚が麻痺して、面白いのかつまらないのかワケが分からなくなってきている今日この頃です。

 あ、そうそう。実はあの作品も、テレビシリーズのシーズン2のオープニング作品だったのですよね。

●監督:堤幸彦 ●脚本:蒔田光治