トリック 新作スペシャル
私的評価★★★★★★☆☆☆☆
(2005日本)
テレビのワイドショーの中継で、驚異的な的中率を誇ると言われる占い師・緑川祥子(名取裕子さん)の力を検証するため、福澤慶(大和田伸也さん)、新島同志(本田博太郎さん)、大隈早大(小木茂光さん)の3人の有名大学教授と、自称天才物理学者で日本科学技術大学教授の上田次郎(阿部寛さん)がゲストで呼ばれました。教授たちが、いきなり、祥子の占いをインチキ呼ばわりすると、彼女は会場に居合わせたある男の死期を予言すると言い出しました。果たして、男は彼女の予言どおり、番組中に心臓発作で亡くなってしまい、インチキ呼ばわりした教授たちは面目丸潰れ、番組の成り行きで、引き続き祥子の構える占いの館に出向いて、インチキの証拠を突き止めることになります。
で、例によって例のごとく、上田は自称天才マジシャン・山田奈緒子(仲間由紀恵さん)を強引に誘い出し、とある山中に建つ祥子の占いの館に出向き、バカバカしい対決を繰り広げることに…。
まぁ、新作スペシャルと言っても、作品のパワーはもうシーズン2〜劇場版〜シーズン3から、さして上がるでもなく下がるでもなく、いったいいつまでこの微妙に緩いテンションを続けていくのか、もうただただ、堤監督が気の向くまま、撮りたいから撮ってるといった感じです。こういった作品には珍しく、グレートなマンネリがよく劇場版2の公開まで続いてるモンだな、と不思議に思ってしまいます。そろそろ劇場版2あたりでコケるんではないかと思ってるんですが、ただいま上映中の劇場版2については、まったく情報を仕入れておりません。そのうちDVDになったら買うだろし(東宝だから高いんだよな、まったく)。
ま、とりあえず見ただけ。奈緒子と上田の掛け合い漫才も、これだけシリーズが続くと、さほど可笑しさが感じられなくなりますねぇ。それなりに可笑しいんですけど、すでに水戸黄門を見るかのような予定調和的安心感に落ち着いてしまっているというか、そんな感じです。
今回一番笑えたのは、西村雅彦さん演じる『柔道・剣道・空手・書道・そろばん、合わせて20段の男』vs通信空手免許皆伝の上田の、『5時間を超えた』と言われるバカバカしいお手合わせのシーンでしょうか。画の作り方に、C級アクション映画的手法とでも言えるような可笑しみがあって、ついつい笑ってしまいました。ホント、アホらしいですワ、ハハハハハ…。
目新しいのは、生瀬勝久さん演じる矢部謙三刑事の相棒役で、前作に当たるシーズン3(木曜ドラマ トリック)で、石原達也刑事(前原一輝さん)から東大医学部卒の警察キャリアの菊池愛介刑事(姜暢雄さん)に代わったのが、アキバ系刑事の秋葉原人(池田鉄洋さん)に早速代わってしまったこと。個人的には広島弁丸出しで矢部刑事に「アニぃ!」と呼びかける石原刑事が、入れ込みすぎのギャグがすべりまくっても、好きでした。東大キャリアでトリビア満載の菊池刑事や、アキバ系の秋葉刑事などの、『いかにも』といったキャラは、あまりにウソ臭くて好きになれないです。
あ、エンディング・テーマが鬼束ちひろさんから、ついに代わりました。Joelleさんのラッキー・マリアという曲だそうです。トリックは、なかなかいい曲を選んできますね。