一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

いつか誰かが殺される

私的評価★★★★★★★★☆☆

いつか誰かが殺されるDVD
いつか誰かが殺される [DVD]

 (1984日本)

 大富豪の永山志津(加藤治子さん)は、70歳の誕生日に、余興で4人の子どもたちと賭けをすることになった。子どもの名前の一文字ずつを取り、夫が亡くなって18年ということでモリヤアツコ、18歳なる架空の人物を探偵の橘(石橋蓮司さん)に探して来させ、パーティに招待するというものだ。そのころ守屋敦子(渡辺典子さん)は、高校生活最後の夏休みに入るところだった。経済新聞社に勤める父・洋一(斉藤晴彦さん)と二人暮らしだったが、海外出張の多い父は家を空けがちで、今日はその父と久々の渋谷デートだった。ところが、敦子がブティックで試着室にいる間に、父はポケベルの応答で店外に出たまま行方不明になってしまった。敦子はブティックの店員の高良(古尾谷雅人さん)をツケ馬に、バイクで家まで送ってもらうが、その日父からは何の連絡もなかった。不審に思った敦子は翌朝父の会社を訪れるが、編集長の山形(橋爪功さん)は、父の心配をするより「洋一から何か預からなかったか?」と問うばかり。新聞社を出た敦子は、バッグの中に見慣れぬフロッピィディスクを発見し、クラスメイトでパソコン少年の渡壁正太(尾美としのりさん)に中身の解析を頼み、帰宅した。すると、家内は家捜しをしたあとのように荒らされ、部屋に潜んでいた男女の強盗が敦子を倒して逃げ出した。そして、次の日再び新聞社を訪れると、事務所はもぬけの殻に…やがて、敦子の周りに銃をちらつかせて迫る不振な輩が出没し始め、敦子は高良に助けを求めるが…。


 80年代の角川3人娘と言われた、薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、渡辺典子さん。いずれも今も活躍されている女優さんたちですが、この中では今、渡辺さんの露出が一番地味かな? 当時の3人の中では、一番演技に力みがなくて、うまいかなぁと思って見てたんですが、他の二人の方が、年を重ねてより一層輝くものを出してきた感があるので、ちょっと残念な気がします。

 ストーリーは、当時人気の赤川次郎さんの「量産娯楽ミステリ」のひとつですから、「あぁ、なんでそんなオチでいいの?」みたいなヘタレ感が否めないのですが、途中の展開はスピーディで、なかなか面白かったです。また、バイクに乗る渡辺典子さんの颯爽とした姿など、アイドル映画としては、かなりイイ出来なんじゃないかと思えますね。ま、それにしても、この時代のアイドル映画のラストは、なんともいえず、甘ったるくて切ない気がするのですが…(苦笑)

 歳のせいか、学生時代を過ごした80年代前半の映画が無性に見たくなるときがあるんですよね。お金が無くて、実はリアルタイムでは劇場に足を運んでなかったんですが、テレビスポットとか、雑誌とかで情報だけは脳内に刷り込まれてますからね。それと、劇中の街の風景とか、特に登場人物のファッション。懐かしさを覚えます。80年代前半のDCブランド華やかなりしころは、みんな裾を絞って腰が膨らんだようなシルエットの服を着て、みんな聖子ちゃんやマッチみたいなヘアスタイルで、軽佻浮薄を地で行くような浮ついた時代だったんだよねぇ…なんて、な。

●監督:崔洋一 ●原作:赤川次郎(小説「いつか誰かが殺される」)