100発100中 黄金の眼
私的評価★★★★★★★★☆☆
100発100中/100発100中 黄金の眼(DVDツインパック)
(1968日本)
「100発100中」の続編です。
国際的な殺し屋であるアンディことアンドリュー星野(宝田明さん)は、ベイルートでバカンスを楽しんでいました。宝飾店で土産を物色していたアンディは、とあるハーフの少女から父の復讐を依頼され、1ドル銀貨を渡されます。少女の父(堺左千夫さん)は、国際的な金密売組織のボス(アンドリュー・ヒューズさん)の運転手で、ボスのコレクションのサマンタ・ゴールドを横取りしたことがばれ、組織の黒川(土屋嘉男さん)に殺されたのでした。アンディは少女の話を聴きつつも、依頼を断ろうとしますが、そこへ、旅行者のミツコ(沢知美さん)が、黒川に騙されて爆弾入りの花束をアンディに届けてきます。危機一髪、爆弾を投げ捨て、危うく難を逃れたアンディは、1ドル銀貨を握り締めながら、少女の依頼を引き受けねばならないことを悟ります。金密売組織のボスは、サマンタ・ゴールドを取り戻せなかった黒川を運び屋に降格させ、部下のハッサン(桐野洋雄さん)とロンドンから呼び寄せた女殺し屋のルビー(前田美波里さん)とを監視に付け、黒川を東京に派遣しました。金密売組織を追ってベイルートに来ていた東京警視庁の手塚部長刑事(佐藤允さん)も合流し、舞台はミツコが出場する箱根ラリーへと移ります…。
本作も脚本に、ボクが尊敬してやまない都筑道夫センセーが加わってらっしゃいます。当然、面白くないワケがありません。80分という短い尺が気にならないほど、内容は充実しています。前作同様、アンディと手塚部長刑事(個人的には、前作の有島さんのトボけた味がお気に入りでしたが…)、ミツコやルビーを交えたメンバーとの掛け合いが軽妙で楽しく、早いストーリー展開の中にも興味深い謎を仕込んであったりして、あきさせるところがありません。
沢知美さんは…もしかしたら、見たことあるのかもしれませんが、確かな記憶がありません。劇中でも売り出し中の歌手という設定ですが、実際女優と歌手の両方をされていたようです。劇中で披露される歌唱シーンは、何気にセクシー系の衣装ですが、そこを売りにしていると思ったらトンでもない。歌がうまいんですよね。CD発売されてるみたいなので、一度聴いてみたいと思いました。
ところで、前作に比べて、少しチープですね。いきなり冒頭の堺左千夫さんがヘリに追いかけられるシーンは、ベイルートの郊外の荒地…には、とても見えません。松が生えているのが見えますから、当時日本のあちらこちらにたくさんあった、造成中に切り崩した山ですよね。ゴレンジャーとかキカイダーとかが敵と対決する場所として、見慣れた風景です(爆)。