一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

キイハンター第1話「裏切りのブルース」

私的評価★★★★★★★★☆☆

キイハンター BEST SELECTION BOX [DVD]

 (1968日本)

 スイスからエレナ(リンダ・ハウティスティさん)と言う女性がフィアンセの黒木鉄也を追って、東京にやってきた。黒木に渡されたメモを片手にたどり着いたマンションの1室につどっていたのは、居候の風間(千葉真一さん)と島(谷隼人さん)のふたりだけ。ふたりはエレナを連れて黒木のいるバーへ向かうが、エレナは黒木(丹波哲郎さん)を見て、「私の婚約者の黒木ではない」と告げ、チャーチル・コインを改造したロケットを取り出し、1枚の写真を見せた。そこに写っていたのは、黒木の元同僚・藤崎(南原宏治さん)だった。藤崎と黒木は、諜報員だった。黒木はエレナに、藤崎のことを忘れるよう、冷たく言い放った。雨の中店を飛び出すエレナ。あとを追った島だったが、何者かに昏倒させられ、愛車を奪われると、暴走した車はエレナに襲いかかり、彼女は命を落としてしまうのだった。その1ヶ月前、スイス、ジュネーヴで藤崎が亡くなっていたことを知った黒木は、自分の手で藤崎の敵を討つことを決意する。そこへ『ミス・エレナ』を名乗る謎の女が、チャーチル・コインを集める広告を新聞に掲載していることが分かり、事件は、黒木たちの思いもよらぬ方向へと展開するのだった…。


 和製ハードボイルド・アクションの草分け的ドラマの第1話。

 外国映画のような雰囲気のオープニング、ハードでドライな展開は、深作監督の得意な路線でしょうか? なかなかキレのある辛口(どっかのビールの売り文句みたいだな)で、最近のドラマとはずいぶんと雰囲気が違うなぁと思いました。黒木が昏倒させられ、目覚めるシーンの描写は、自分としては斬新に思えました(他の深作作品を見ていないので、知りません)。

 ドラマの設定などで都筑道夫先生が噛んでいると伺っていたのですが…クレジットには「原案」でお名前がありましたが、どの程度関わっていらっしゃったんでしょうね? とりあえず、シリーズの脚本には、お名前が無いようですが、都筑先生のハードボイルド作品のテイストは感じられました。

●監督:深作欣二 ●脚本:高久進深作欣二