一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

男はソレを我慢できない

私的評価☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

男はソレを我慢できない デラックス版 [DVD]

 (2006日本)

 7年ぶりに下北沢の実家「饅頭屋うさや」へDJタイガー(竹中直人さん)が帰ってきた…。


 下北沢のプロモーション・ビデオ? 手の込んだ長ぁ〜い、ミュージック・クリップ? 確かにオシャレでポップ。でも、内容は…ほとんどないです。見て、驚くのも一興かと…^^;

 とはいえ、これでPG-12って…中学生と一緒に見るには、ちょっとこっ恥ずかしい下世話な映像が多すぎです。そもそもこの内容で、劇場で公開してるってのが不思議…カネ払って見てるヤツいるワケだ。それ以上に高いDVD買ってるバカもここにいるワケだけど…。劇場で公開するより「東京ローカルの深夜放送枠で密かに流れてて、なんとなく口コミでじわじわっと一部で話題になっているらしい」ぐらいのステイタスで十分なんじゃないかという感じがするって、言いすぎかな?

 内容はともかく。映像・音響クリエイターの方が、相当はしゃいでると思います(創った側的には、気合十分入ってる、と言いたいところかも知れませんが…)。

 いきなり冒頭の高橋幸宏さんのセリフで、「位相がおかしいんじゃね?」と思ってしまうほどキモチの悪い始まり方をして驚かされます。どうやら全編セリフだけわざとセンターに寄せてAMラジオ並み(それ以下かも)に高域をカットして、こもりがちな音声にしているみたいです。一部じゃ歪んでるし、指向性の強いマイクで、わざとオフマイクで録ったような感じにも聞こえるけど、とにかくセリフが聴き取りづらいのがイラッとくるワケですが、ストーリーが意味なしオチなしに近いので、まぁ、どーでもイイかと次第に思えてきます。

 で、それ以上にイラつくのが、何一つ素直に見せてくれないエフェクトまみれの騒々しい画面。ごちゃごちゃしてるくせにコントラストべたっと落として平板なトーンにして色調まで同系色で揃えてるもんだから、人物と背景の境界が分かりづらくて、けっこう疲れるなぁと思えば、ガシガシ部分的に人物の顔を揺らしたり、どうでもいい文字列がカラオケみたいにセリフにかぶさって画面を席捲したり、とにかく落ち着かない。

 割と短めですが、最初の30分でギブアップ、あとは惰性で終わるのを待つだけみたいな観賞でした。クリエイターの方が、斬新な手法で映画を撮られた(編集された)のは分かりますが、所詮は各自の好みの問題です。たぶん、二度と見たいと思わないです、私は。

●監督:信藤三雄