一応、邦画劇場

過去の自分、現在の自分、そして未来の自分に向き合う映画鑑賞

なめくじ長屋捕物さわぎ

私的評価★★★★★★★☆☆☆

なめくじ長屋捕物さわぎ [DVD]

 (1990日本)

 神田橋本町のなめくじ長屋に住む大道芸人たちと、そのまとめ役の砂絵かきのセンセーの活躍を描いた都筑道夫さん原作のTVドラマ化作品です。

 砂絵かきのセンセー役にビートたけしさん、大道芸人たちに、たけし軍団の面々。商売繁盛の幽霊・ユータ、女形のオヤマ、丹波で生け捕りにされたアラクマ、葛西は源平堀の河童のせがれ・カッパ、小柄な曲芸師のマメゾー…おっ、願人坊主のガンニンが居ませんね。オヤマの衣装がキレイすぎるし、マメゾーは中国の曲芸師になってるし、微妙に個々の設定も変わっていますが、ま、一応なめくじ長屋の主要なメンバーは揃って登場です。

 たけし軍団の『なめくじ長屋捕物さわぎ』と言うことで、『俺たちひょうきん族』のノリを心配していたのですが、案外真面目な時代劇になっていたので、ちょっと安心しました(まったくストーリーと関係ない、長屋の空き家でくるくる入れ替わる住人という設定のところで、かなり遊んではいましたが…)。

 ストーリーの中では、マメゾーが曲芸の最中に人殺しの下手人にされてしまうというお話が、原作シリーズの中にありました。それ以外の部分は、ほとんどオリジナル脚本かと思いましたが、どうなんでしょうね? 原作は都筑道夫先生のお作の中でも、おそらく一番の人気シリーズです。ボクも大好きです。連作短編集で確か全部で11冊出版されたんでしたっけ? どれも痛快なんです。原作のテイストにはちょっと及びませんが、このテレビドラマもまずまず面白い脚本でした。

 ビートたけしさんの砂絵かきのセンセー役は、原作とはまるでイメージが違いましたが、今は亡き都筑先生に敬意を表して、★7つで。

●監督:脇田時三 ●原作:都筑道夫(小説「なめくじ長屋捕物騒ぎシリーズ」)